長生きできる食習慣(その2)
長寿者は明るく素直に
92歳現役の自然食・自然療法研究家・東城百合子先生著『長生きできる食習慣』(育鵬社)では、「健康長寿」にスポットを当てている。 世界の長寿者が、どんな食生活を送っているのか、どのような人生を送っているのか、を著者の現地取材とともに綴っている。 その中に、南米エクアドルのアンデス山脈の奥地にあるビルカバンバ村に暮らす120歳のカルメンおばあちゃんの話がある。 著者は、カルメンおばあちゃんに会うために彼女の家に行った。 しかし不在。 弁当をもって「すぐそこの」畑に行った、ということだったので、今度はそこに向かうことにした。 あっちの畑だろうというので「20分くらい」バスに乗って途中まで行き、また山道を歩いてその畑に行ってみたがいない。 それじゃあ、そっちだ、というのでまた「15分ほど」バスで行って、また「20分ほど」山路を歩いて、やっとカルメンおばあちゃんに会えた、という。 120歳のおばあちゃんが、こんな距離を毎日あたりまえのように歩いて畑に通っている、ということに著者はびっくりする。土のエネルギー
畑で娘や孫とともに、いもを掘る作業をしていたカルメンおばあちゃんに会った著者は、究極の質問をする。 「どうして長生きしたと思いますか」と。 するとカルメンおばあちゃんはこう答えたという。 「神様が長生きさせてくださった。私はただ働くことが大好きで、土に親しんでたのしんで働いてきた。みなと仲よく、多くのたのしい友人知人がいて、心明るくたのしく生きてきた。作業ははだしで、歩くのもできるだけはだしで歩く。これは健康にいいからだ」 著者はそれをこう解説する。 「土の家に住み、土の上を直接はだしで歩く、これは毎日、土療法として土のエネルギーを入れている」のだと。120歳のおばあちゃんのお弁当の中身
さらに、そこでその日のカルメンおばあちゃんのお弁当を見せてもらう。 入れ物は丸い小さな鍋のようなもの。そこに、大豆をやわらかく煮たもの、玉ねぎとマカロニのようなもの、ユカいもとトマトを煮込んだものが入っていて、トマトの野菜シチューのようだった。日本の雑炊のような感じで、お椀で一杯ほどを食べる。 そんな少ない量で、何里もの道のりを毎日歩いて通って働いていることに、またびっくり。 著者は、「人間は私どもの思っている以上に少なくてもやってゆける」と教えられたという。 このような話など、本書には、実在の健康長寿者の実践に学ぶ、多くの有益なヒントがつまっている。 (文責/育鵬社編集部)ハッシュタグ
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