勝つための情報学…②報道しない自由

フェイクニュース

報道しない自由

 前回の大統領選挙以降のアメリカでは、トランプ大統領がマスコミ報道に対して発した「フェイクニュース」との言葉が流行り、現在でもトランプ大統領は何度もこの言葉を使っている。  一方、日本においてもこの「フェイクニュース」を使う人が増えてきており、この言葉が日本でも定着してきた。  これまで日本では、事実を歪めた報道に対しては「偏向」「歪曲」「捏造」などと呼んでいたが、それらの言葉の代わりに「フェイクニュース」と言われるようになってきた。  このフェイクニュースとともに、現在、ネットでも使われ始めたのが「報道しない自由」という言い方だろう。  これは、マスコミにとって都合の悪いニュースを報道しないことにより「ニュース自体をなかったこと」にするものだ。  しかし、たとえ「報道しなかった事実」であっても、ネットによってすぐに検証されて情報が拡散されてしまうため、報道されなかった事実は容易に知られるところとなってしまう。  このように、ネットの発達による個人の発信が「拡散やフォロー」によって力を持つことで、以前なら公にならなかったことが、すぐに万人の知るところとなる。つまり、個人が巨大マスコミを揺さぶる時代がきたともいえる。

朝日新聞が「ニュース」を決めた?

 以前であれば、大手新聞が世論をつくってきた。そして、新聞が何を使えるのかが政治や社会に大きな影響を与えてきた。  とくに、朝日新聞の論調がテレビ報道においてもベースになってきたと言われている。朝日新聞が報じたことが「ニュース」であり、報じないことは「ニュース」とは思われなかった。  その朝日新聞も戦前では戦争を煽った報道をすることによって、大きく部数を伸ばすことができた。新聞も営利企業であるため、商売のためには部数増を図りたいのは当然のこと。  今では「ペンの力」を強調する朝日新聞も、実は戦後の混乱期、GHQの意に沿わない記事を載せたという理由により、発行停止命令を受けている。  ただし、発行停止は2日間で解除となった。それからの朝日新聞が発行停止にはなっていないということは、検閲を受けないような記事を書くことになった(あるいは報道しなくなった)ということだろう。  まさに経営(商売)を優先した結果だが、GHQの意向に沿うことは、別に朝日新聞に限らす、日本の全マスコミにもいえる話である。  現代では、どの報道機関でも、ネットの追及を受けること可能性を踏まえる必要がある。それは、マスコミにとっては怖さであるのは間違いない。 参考:『勝つための情報学~バーチャルからリアルへ』山村明義著(扶桑社新書)
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