この世界の荒波をどう生きるか(5)

散歩するお母さんたち:縮小

有効な少子化対策が待たれる

ロシアの少子化対策を日本流にアレンジすればこうなる

 昨年の日本人の国内出生数は86万4千人で、前年比5.92%減の急減、1899年の統計開始以来、初めて90万人を下回った。衝撃的な数字である。  そうした状況を踏まえ、前回、前々回に続き、北野幸伯・著『日本の生き筋――家族大切主義が日本を救う』(育鵬社)に示された対策を、以下に紹介したいと思う(転載)。

「母親資本」を日本風にアレンジすると

 前回の記事で述べたように、母親資本として「90万円」を日本でもらっても、それで「子供2人産みましょう」とはならないでしょう。  日本で「家が買える金額」といえばいくらでしょう?  東京など大都市ではもちろん無理ですが、たとえば私の実家がある長野県松本市近郊なら、2000万円ぐらいあれば、まともな家が建ちます。  ですから、 「3人子供を産んだ家庭には、住宅購入資金2000万円まで支援します」  とすれば、「じゃあ、そうします」という家庭も増えるのでは? 「財源どうするんだ、ボケ!」  そんな声が聞こえてきます。  別に2000万円、一括でその家族にあげなくてもいい。 「住宅購入資金のローン(たとえば30年)を、2000万円まで国が肩代わりします」  そうすれば国は、30年かけて、3人子供を産んだ家庭にかわって、ローンの返済をしていく(金利1%で30年返済すると、総額は2300万円強になりますが、金利分も国が出せばいいでしょう)。  すると、「3人子供を産んだ1家庭」につき、国の月々の負担は、月7万円ぐらいでしょう。子供1人当たりの支援額は、月2万3333円となります。  これなら「財源どうするんだボケ!」という人も、「非常に現実的なプランです」となるでしょう。  これを実行すると、かかわる人みんなにメリットがあります。  ・3人産んだ家族=夢のマイホームが手に入って幸せ  ・銀行=国が払ってくれるので、とりっぱぐれない  ・国=出生率が劇的に増え、未来は安泰  繰り返しますが、これは、ロシアの出生率を1.16から1.75まで増やした、「効果実証済み」の方法です。    政府は、迷うことなく実験を開始してほしいと思います。 北野幸伯(きたのよしのり) 国際関係アナリスト。1970年生まれ。19歳でモスクワに留学。1991年12月、現地でソ連崩壊を目撃する。1996年、ロシアの外交官養成機関である「モスクワ国際関係大学」(MGIMO)を、日本人として初めて卒業(政治学修士)。1999年、メールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」(RPE)を創刊。「わかりやすい!」「面白い!」「予測があたる!」と話題になり、読者数が急増しつづける。RPEは現在、会員数約6万人。業界最大手「まぐまぐ」の「ニュース、情報源部門」で日本一のメルマガである。また、2015年「まぐまぐ大賞」で総合1位を受賞。「日本一のメルマガ」と認定された。リアリズム大国ロシアの首都モスクワに28年滞在。アメリカや、平和ボケした日本のメディアとは全く異なる視点から発信される情報は、高く評価されている。2018年、日本に帰国。 著書に、『中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日』(草思社)、『隷属国家日本の岐路』(ダイヤモンド社)、『プーチン最後の聖戦』『日本自立のためのプーチン最強講義』『日本人の知らないクレムリン・メソッド』(以上、集英社インターナショナル)、『中国に勝つ 日本の大戦略』『日本の生き筋』『米中覇権戦争の行方』(以上、育鵬社)などがある。 著者のメールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」 (http://www.mag2.com/m/0000012950.html)
新日本人道

この世界の荒波を私たちはどう生きるか ロシア滞在28年で考えた日本復活への7つの指針

Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事