[新型貧困]7つの大罪

非正規増加・転落転職・ブラック企業化・うつ病症・介護地獄・家計破綻・未婚化――忍び寄る「プアの波」に呑み込まれるな  経済規模を表すGDPこそ世界第3位の日本だが、貧困層は確実に広がっている。等価可処分所得の中央値の半分の額を「貧困線」(’12年は122万円)といい、それに満たない世帯の割合を示す「相対的貧困率」は16.1%。これはOECDに加盟する34か国のなかで第4位。さらに、大人が一人(つまり母子・父子世帯)に限ってみれば貧困率は54.6%で、これは世界第1位の低水準となる。 「アベノミクスで景気がよくなったといわれても、それを実感できているのは、一部の富裕層に限った話。雇用の流動化を進める安倍政権が目指すのは、1%の富裕層が富を独占するアメリカのような格差社会です。すでに、正社員の労働環境も不安定化しており、中間層が下に落ちてきています」  現状をこう語るのは、労働組合・東京ユニオンの関口達矢書記長。中間層にまで貧困が拡大する現状の流れにはあらがえないのか。誰もが当事者たりえる貧困の波に呑み込まれないために、本特集ではその問題点と対策を探った。