ジョギングでは「加齢による筋肉量の減少」は食い止められない
「20代をピークに、筋肉の量は年を重ねるごとに落ちていく」という認識は、多くの人に共有されているだろう。一方で、「自分はウオーキング、ジョギングをしているから筋肉量も維持できている」と思っている人も多いだろうが、それは実は誤りだ。
「月に300km、400kmのジョギングをしても、加齢による筋肉量の減少は食い止められないことがわかっています。それは加齢とともに減少していく筋肉が主に“速筋”であり、ジョギングなどの有酸素運動で使われる筋肉が“遅筋”のため。遅筋については、ジョギング習慣のある70代の人と、運動習慣のない70代の人を比べても、その大きさがほとんど変わらないことがわかっています」
そう話すのは筑波大学大学院教授で、つくばウエルネスリサーチ代表の久野譜也氏。“健康にいい”というイメージの定着しているジョギングやウオーキングだが、それだけでは加齢による身体の衰えをカバーしきれないというわけだ。
「人の筋肉量は、40代から年1%の割合で減っていきます。平均寿命が60年の時代では、それは大きな問題ではありませんでしたが、80~90代まで生きる人も増えた現代では、筋肉量の減少で寝たきりになるリスクも高まっているんです」
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