フェラーリやポルシェを目指す日本男児が乗るべき車
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
腕を磨きたくてもMR2が消え、シルビアが消え、フェラーリやポルシェの練習に適した安価な後輪駆動のスポーツカーが今の日本にはない……。そんな悩みはこれで解決できるのか? フェラーリ&ポルシェ予備軍のためにサーキットで(久々に)ドリフトかまして吟味した!
MJブロンディ=文 Text by Shmizu Souichi
池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu
◆本気のフェラーリ&ポルシェ予備軍へ
トヨタの86(ハチロク)の受注が、1か月で7000台を数えたという。しょせん絶滅危惧種のスポーツカー。売れ行きはすぐ減速するだろうが、それでも7000人もの“漢”がいたことに、感動せずにはいられない。エリートの証であるマニュアルミッションの比率も、6割を占めているとか。日本もまだ捨てたもんじゃない。
経済氷河期に生まれ育ったボンクラ諸君の脳内には、スマホ程度のちっこい夢しかなかろうが、ハチロクを注文した日本男児たちには、恐らくでっかい夢がある。それは、「いつかフェラーリやポルシェを手に入れて、自在に操ってやるぜ!!」という、人類のオスとして普遍の夢だ。
フェラーリやポルシェの運転は難しい。いや、最新のモデルは、走らせるだけなら誰でもできるが、限界域まで自在に操れるのは、たゆまぬ向上心を持って腕を磨き続けたパワーエリートのみである。
が、パワーエリートにも悩みがある。フェラーリやポルシェの練習台に適した、安価な後輪駆動のスポーツカーが絶滅寸前だということだ。
そんな時、トヨタとスバルがやってくれた。トヨタが発案し、スバルが開発したハチロクとBRZの兄弟車は、今や世界的にも超レアな、軽量コンパクトな後輪駆動のスポーツカー。これは、フェラーリやポルシェの練習台として、最適ではなかろうか? 我々パワーエリートの期待は高まっていた。
で、今回サーキットにてスバルのBRZに乗らせていただきました。
【後編】の試乗リポートに続く⇒https://nikkan-spa.jp/174566
― パワーエリート待望の後輪駆動スポーツカー【1】 ―1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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