走りに関しては100点! 文句なしの後輪駆動スポーツカー
腕を磨きたくてもMR2が消え、シルビアが消え、フェラーリやポルシェの練習に適した安価な後輪駆動のスポーツカーが今の日本にはない……。そんな悩みはこれで解決できるのか? フェラーリ&ポルシェ予備軍のためにサーキットで(久々に)ドリフトかまして吟味した!
◆本気のフェラーリ&ポルシェ予備軍へ(後編)
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今回サーキットにてスバルのBRZに乗らせていただきました。
感動しました……。
このステアリングのクイックさ。ハンドルをコブシ1個分切っただけで、クルマの向きがズバッと変わる。重心が限りなく低いから、車体はほとんど傾かずに、まさにレールの上を走っているかのようにズバッと!
水平対向の2000ccエンジンのフィーリングも実にいい。低い回転からトルクがあるので、燃費も期待できる上に、回せば十分にパワフル。大変気持ちがいい。
しかもこのエンジンには、「サウンドジェネレーター」なる、快音製造装置が積まれている。
これは、エンジンが吸い込む空気の響きを、管楽器のような装置で増幅して、車内に引き込むシブイもの。おかげでクルマの外は静かだが、車内ではアクセルを踏むたびに「コオォォォォォ~」という心地よいサウンドが反響する。共振現象により、本来の倍の周波数の音を作り出すことで、4気筒ながらV8並みの甲高い音を狙ったというが、確かに少しだけフェラーリっぽく聞こえないこともない。なんという芸の細かさ! 日本人に生まれてよかった~。
すべての安全装置をカットして、ドリフトを試して見ると、面白いようにリヤがすべる。しかし動きは実に素直で、コントロール性も抜群だ。走りに関しては100点。文句なし。完璧です!!
志高くフェラーリを目指す者は、それを手に入れるまで、修行の日々を送るのが常である。昔はトヨタがMR2という、安価で危険なミッドシップスポーツカーを売っていたので、それで腕を磨き、さらにアルファロメオのド中古で左ハンドルMTとイタリア車に体を慣らした上で、準備万端、フェラーリを購入した猛者もいた。サスケの第一・第二ステージのようなものだ。
が、MR2無き後は、シルビアなどのボロボロの中古に頼るしかなく、それも続々と討死・廃車となり、男子の大望を叶える第一ステージが絶滅しつつあった。
このBRZやハチロクが、年に1万台も売れれば、当分練習台の中古車の心配はない。パワーエリート予備軍は、心おきなくフェラーリを目指せるというものだ。
が、言っておくが、フェラーリの動きは、このBRZの10倍シャープで、コントロールが難しい。世界最高峰のハードルは、やはり限りなく高いのだ。頑張ろうじゃないか! ボンクラは一生コタツでスマホでもいじってろ。
【結論】
BRZとハチロクは、中身はほとんど同じながら、限界域ではハチロクのほうがより簡単にドリフトするらしい。よって練習台には、ハチロクのほうが向いているかも? ま、どっちでもいいと思いますが
6速MTしかないBRZの最廉価版は205万8000円~(86は一応199万円~)。水平対向エンジンは200馬力を発揮。中間グレードと上位グレードにはATもあります
― パワーエリート待望の後輪駆動スポーツカー【2】 ―
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