更新日:2017年11月27日 23:25

【燃費対決】アクアVS初代プリウス 14年の差はどれくらい?【後編】

これまで数々の名勝負を繰り広げてきた大和(初代プリウス)。オークションにて43万円で落札した、このド中古の実力は、当欄ご贔屓のみなさんはご存じのとおり。そんな大和が今回挑むのは、最新ハイブリッドカーのアクア。価格差は100万円以上。14年前に登場した初代プリウスは、ピカピカの最新エコカーにどこまで燃費で迫れるのか? MJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi 望月浩彦=写真 Photographs by Mochizuki Hirohiko 【前編】はこちら⇒https://nikkan-spa.jp/142805  キツネにつままれたような気分で、本番の燃費対決に突入。不肖ワタクシは愛機・大和を運転、アクアは部下の安ド二等兵。そして現行プリウスは本誌D級ドライバーのKだ。コースは幕張周辺の空いた一般道を約16kmばかり。全員、秘術の限りを尽くしてケチケチ・ノロノロと激走した。 結果は!? 【1位】 アクア リッター33.7km 【2位】 大和 リッター30.7km 【3位】 プリウス リッター29km  アクア、貫録の勝利!! さすが最新のハイブリッドカー!
エコジャッジ

オプションの「エコジャッジ」は超ハマる。しかし「エコ発進」で5点満点を取るためには、超絶ノロノロ発進が必須。後ろのクルマがイライラすること間違いなし。さすがに社会の迷惑だろ!!

 しかし、勝ったとは言え、アクアと大和の燃費差は1割ぽっち。初代プリウスの発売から14年余、14年間で1割の向上というのは、あまり褒められた数字じゃない。  今回はドライバーの技量の差もあったし、完全に公平ではない。しかし、とにかくアクアは出足が重い。クルマが重いのではなく、モーターの加速力が弱いように感じる。  アクアは車体が小さい分、バッテリーの容量を小さくしてあるが、それに合わせてモーターの加速力を落とし、それが原因で出足がトロい→エンジンに頼らないと加速しない→思ったより燃費が伸びない、という循環にハマッっているように思えるが、どうなのだろうか?  テストコースならともかく、一般公道では、あまりノロノロ発進すると他車の迷惑になる。そのあたりの熟成が足りず、“机上の燃費兵器”になっていないか。  軽い分走りが楽しく、もっと驚異的な燃費が出ると思ったが、期待のしすぎだっただろうか……。 【結論】 今のところ、アクアの走りのフィーリングは、「一に我慢、二に我慢、三四がなくて五にノロマ」。少しキビキビ走らせたら、ガソリン車と大差ない燃費(リッター15km)になってしまった。納車後さらに真実を探求します グレードは3種類。GとSのグレードはカタログ燃費リッター37km。最上位グレードのLのみリッター40km。価格は169万円~。ちなみに現行プリウスは、マイナーチェンジして217万円~に ― トヨタ新旧ハイブリッドカー燃費対決【2】 ―
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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