大人だからこそ泣ける名作アニメ5選【藤津亮太さん推薦】
―[[鉄板で泣ける名作]40選]―
最近、いつ泣きましたか? 感動の涙には、日頃たまったうっぷんを解消する効果があるそう。疲れた心の修復と明日への活力のために、その道の達人が、必涙の傑作を推薦! 今回はアニメ評論家の藤津亮太氏が泣けるアニメを紹介する。
◆アニメ…登場人物が戦場やリングの外で闘う姿に思わず男泣き
大人だからこそ泣ける名作は、『あしたのジョー2』の第26話。世界チャンピオンに敗れた男が、ボクシングに未練を持ちながらもやきとり屋を営んでいるところに、人生の妙味が味わえます。
また、『0080』は、新型ガンダムを秘密裏に破壊しにきたジオン軍の青年兵士と小学生の話。最初、青年は小学生に自分は強いとウソをつきますが、やがて少年にバレ、奇妙な信頼関係が芽生えます。最終話、圧倒的不利な状況で、ガンダムに挑む青年は、少年にビデオメッセージを残します。そこに青年の本音が滲んで……。ビデオレターで気持ちを語る仕掛けが泣かせます。
『ラーゼフォン』第19話は、主人公に好意を持つ女のコが乗る敵メカを、主人公が知らずに倒してしまう話。攻撃されるたび、彼女の悲鳴が街の明かりや電光掲示板で文字になっていくのに、主人公は気づかない。声にならない言葉が街の光になる美しさと、それが主人公に伝わらない悲しさが胸を打ちます。
意外な路線では、『セーラームーンR』や『秘密結社鷹の爪』。子供向けやギャグ作品ですが、だからこそスレスレのところで不意打ち的に発生する感動があって、その振幅の大きさも、アニメの大きな魅力だと思います。
●『あしたのジョー2 (第26話)』
(DVD全2巻発売中/販売元:バンダイビジュアル)
東洋太平洋タイトルを奪取したジョーの次の目標は、世界チャンピオンのホセ・メンドーサ。かつて日本にもホセと対戦したボクサーがいると聞き、会いに行くが、その男はやきとり屋になっていた
●『ラーゼフォン(第19話)』
(発売・販売元:メディアファクトリー)
近未来の日本で、主人公の少年が異世界との戦争に巻き込まれる。19話では同級生の朝比奈浩子を守るため、戦いに臨むが、その相手は……。ロボットアニメ史上に残る名作で「神回」ともいわれる
●『劇場版 美少女戦士セーラームーンR』
(販売元:東映ビデオ)
衛(タキシード仮面)の幼い頃の友人が突然現れ、衛を拉致し、地球を滅ぼそうとする。異星人に戦いを挑むセーラームーンだったが、のちに彼の寂しさに気づき、受け入れようとしていく
●『秘密結社鷹の爪(第11話)』
(販売元:キングレコード)
蛙男商会が制作したFlashアニメ。心優しい総統が率いる悪の秘密結社「鷹の爪」は、地球上からいさかいをなくすために世界征服をたくらむ。最終戦ではかつての敵と共に戦うが……
●『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争(第6話)』
(DVD全2巻発売中/販売元:バンダイビジュアル)
ガンダムシリーズで、初めて富野由悠季以外(髙山文彦)が監督をした作品。全6話。一年戦争末期、地球連邦軍が新型ガンダムを開発している情報を受け、ジオン軍が奪取作戦を計画。任務を受けた新兵と地元の小学生が心を通わせていく
【藤津亮太氏】
アニメ評論家。著書に『チャンネルはいつもアニメ』(NTT出版)など。毎月第1金曜日21:30よりニコニコのブロマガ「アニメの門チャンネル」でアニメの話題を配信中
― [鉄板で泣ける名作]40選【3】 ―
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