男泣きできる名作映画はこれだ【よしひろまさみちさん推薦】
―[[鉄板で泣ける名作]40選]―
最近、いつ泣きましたか? 感動の涙には、日頃たまったうっぷんを解消する効果があるそう。疲れた心の修復と明日への活力のために、その道の達人が、必涙の傑作を推薦! 今回は映画ライター・編集者、よしひろまさみち氏が泣ける映画を紹介する。
◆映画…泣きモノ系が落ち着いた今こそ良質な作品が選べる
泣ける映画なるジャンルが妙にはやったのは“セカチュー”などが大ブレイクした2000年代中盤。なんぼ泣けても、量産されては、涙腺が追いつかない。ブームが落ち着いた今こそ、心から涙する映画を選ぶことができるというものです。
一番におすすめしたいのはティム・バートン監督作『ビッグ・フィッシュ』。ホラ吹きの父が死の床についてなお、息子に自分の人生の作り話を聞かせる、という序盤は、バートンお得意のファンタジーに見えるが、現実と虚構が交錯し始める後半からは涙腺が緩みまくる。実際にこの作品製作の直前に、父親の死を体験した監督にしかできなかった、思い入れの強さを感じる逸品。
ウェットすぎるのは苦手という人にはミュージカルコメディの『ヘアスプレー』や“クレしん”を。前者は差別・偏見に対する強烈なメッセージを込めつつ、それを笑いと歌唱で描ききり、最後は明るい涙がほとばしる。後者は、クレしんらしい荒唐無稽な展開ながらも、『三丁目の夕日』的ノスタルジーとジュブナイルの要素を併せ持つ。公開時に子連れの親が大泣きするという異常現象を巻き起こした。あとの2作も老若男女不問で涙する傑作なので、ハンカチを片手に!
●『ビッグ・フィッシュ』
(2500円・税込/Blu-ray 発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)
巨人とともに故郷を離れ、サーカスで働きながら恋に落ち……。幼い頃から聞かされ続けた父の昔話はまったくのウソだと思っていたが……。バートン監督渾身の感動作
●『ヘアスプレー』
(1890円・税込/DVD 発売元:アスミック 販売元:角川書店)
太っちょ女子高生トレイシーが、黒人差別や偏見に満ちた社会を持ち前の明るさではねのける。「ブロードウェイ・ミュージカルを原作にした、観る人を必ずハッピーにさせる大傑作。女装姿のトラヴォルタも必見です」
●『映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲』
(1890円・税込/DVD 販売元:バンダイビジュアル)
春日部で開催の「20世紀博」は、実はオトナたちを罠にかける陰謀。しんのすけたちは、オトナを取り戻すために防衛隊を結成するが……。「ギャグアニメと思って観たらヤケドします」(バンダイビジュアル)
●『ラブ・アクチュアリー』
(1980円・税込/Blu-ray 発売元:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント)
’03年に製作されたロマンティック・コメディで、英国を舞台に、心の絆を求める19人の男女の織りなすさまざまな恋愛模様を映し出す群像劇。必ずどこかに自分を投影できるキャラがいるという最高の仕掛け!
●『アイアン・ジャイアント』
(3129円・税込/DVDスペシャル・エディション 販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ)
孤独な少年ホーガースは鋼鉄の巨人と森で出くわし、心を交わしていくが、実は巨人の正体は……。「クライマックスは当時のマスコミ試写でも嗚咽がそこかしこから聞こえたほど」
【よしひろまさみち氏】
映画ライター・編集者。ファッション誌『sweet』のカルチャーコーナー編集のほか、本誌をはじめ映画紹介の連載を多数持つ。日本テレビ系『スッキリ!!』でも月一で映画紹介を担当
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