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ファッション誌を読んでも“おしゃれ”にはなれない!

 メンズファッションのバイヤーとして活動する傍ら、ウェブサイト『現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法 KnowerMag』や、メルマガ『最も早くオシャレになる方法』を執筆、その理論のわかりやすさから瞬く間に大人気となり、多くの執筆媒体を抱えるMB氏。アパレル業界を知り尽くした男は「日本人男性のファッション偏差値を底上げしたい」と語る。新刊『最速でおしゃれに見せる方法』の発売を控えたMB氏に、ファッション偏差値45の記者が聞いた。 ――新刊『最速でおしゃれに見せる方法』では、「おしゃれにはセンスもお金もファッション誌もいらない!」と、挑発的な内容が記載されています。
メンズファッションバイヤーのMB

メンズファッションバイヤーのMB氏。「『オシャレに見える』にはちゃんと理由があるんです」が持論(撮影/難波雄史)

MB:前回の記事『なぜ日本人の男はダサいのか?』でも少し触れたのですが、これまでファッションやアパレル、洋服の世界では、「ファッションにはセンスが必要」だとされてきたわけです。でも、私は、昔から「センスってなんだろう?」と不思議に思っていました。というのも、センスとは感性ですから人それぞれのはずです。しかし、「あの人おしゃれだよね」という合意が10人中9人で成立するケースがあります。「青」より「赤」がカッコいい人もいれば、逆も存在するのに、10人中9人が合意する「おしゃれ」ってなんなんだろうと。そこにあるのは、「センスじゃなくてルール」だと思いはじめたんです。「おしゃれに見せるルール」が存在していて、そのルールに則っているからおしゃれに見える。確かに、パリ・ミラノのオートクチュールコレクションの世界では、そういったルールを無視した芸術の域に達したものがあるとは思います。しかし、我々が普段着ている「街着」では、ルールにさえ則っていれば、センスなんて曖昧なものがなくても十分おしゃれに見せることは可能だという結論に至ったんです。 ――そして辿り着いた大原則が「ドレスとカジュアルのバランスを整える」であり、大原則に基づいた3ルールというわけですね。 MB:ルール①「ボトムスから揃える」、ルール②「形は『I』『A』『Y』で整える」、ルール③「色はモノトーン+一色に抑える」を守りさえすれば、街着でのおしゃれなんて簡単です。私のメールマガジンの読者の方には「ユニクロなのにファッションスナップを撮ってもらった」とか「ファッションにルールがあるなんて知らなかった」なんていう感想をたくさんいただきます。知ってさえいれば、おしゃれに見せることなんて簡単なんです。これまで、多くのファッション初心者が「おしゃれ=人と違って目立つこと」だと勘違いしていて、ちょっと変わった服や個性の強いアイテムをつい選んでしまい、合わせ方がわからず、サマにならないまま着ていたりします。ファッション誌のスナップを見ていても、奇抜であることがさもセンスがあっておしゃれかのように取り上げられていたり、普通の方は混乱しますよね。 ――確かにファッション誌を読んでいても、このコーディネートのどこがおしゃれなのか言及していることはあまりありません。まして、その方法論を提示しているものは皆無だと思います。 MB:結局、おしゃれに見せるルールをきちんと誰も言語化してこなかったわけです。この着こなしがなぜおしゃれに見えるのか? このアイテムをこう変えればもっとおしゃれに見える、なんてことはルールを知ってさえいれば、誰にでもできます。レシピのない料理写真を見ていてもその料理はつくれません。レシピがあってはじめて誰にでもつくれるようになるわけですから、今のファッション誌はレシピの載っていないグルメ雑誌を眺めているようなもの、ということになります。いくら読んでも「おしゃれだな~」と思うだけで、おしゃれに見せる方法がわかるようにはならないのです。 ――まさに「お金もセンスもファッション誌もいらない!」というわけですね。 MB:私はよく「『おしゃれに見える』と人生変わりますよ」と言うのですが、少なくとも外見を変えるだけで、自分に少し自信が持てるようになります。「人間は内面こそ肝心だ!」という意見はもっともですが、誰しもが簡単に得られるものではありません。しかし、外見は「たかだか着るもの」を変えるだけで得られるのですから、こんな楽なことはないでしょう。少なくとも、この書籍を読んでいただければ、そのきっかけにはなるはずです。堂々と振る舞うことがカッコいいのは当たり前です。「おしゃれに見える」という自信を手に入れると、何事にも前向きに積極的に楽しめるようになります。少なくともそういった局面は増える、とお約束したいと思います。  たしかに、後輩OLから「おしゃれですね」と言われる人生は、貧しいもののないはずがない。「イケメンに限る」「服を買いに行く服がない」などと卑屈になる前に、ルールを知って服を買いにいこうではないか。 〈取材・文/日刊SPA!編集部 撮影/難波雄史〉 【MB】 メンズファッション専門のバイヤー(@MBKnowerMag)。年間数十のブランドの展示会に足を運び、買いつけを行う。年間取引量は億を超える。子供の頃から“狂うほど”洋服が好きで、ファッション業界に知悉している。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法(www.neqwsnet-japan.info)」が話題に。また、メルマガ「最も早くオシャレになる方法(www.mag2.com/m/0001622754.html)」では、「安くてオシャレになるアイテム」を紹介し即完が続出。「まぐまぐ大賞2014年【有料部門】ライフ」にて大賞受賞。ニコニコ動画ではブロマガと生放送「MBチャンネル」もスタート。女子SPA!でも「レディースファッション」に関するコラムを連載開始。ファッション誌では読めない歯に衣着せぬ言説が注目されている。自身のブランド「MB」にてスキニーパンツを発売したところ、5分で完売! 9月17日に初の著書『最速でおしゃれに見せる方法』を扶桑社より発売
MB
ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 <実践編>』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag

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