500年守られてきた“最古の銘酒”『剣菱酒造』――「止まったままの時計でいる」という先代の言葉
―[創業500年以上の日本企業]―
日本は世界一の“老舗大国”だという。その中でも特に古い、500年以上の歴史を持つ「超・老舗企業」を紹介。その持続可能な経営の秘密とは!?
家から家へとバトンを繫ぎ、守られてきた“最古の銘酒”『剣菱酒造』 ~(神戸市東灘区)1505(永正2)年創業~
銘酒「剣菱」は、M&Aを繰り返しながらその伝統を守ってきた日本酒だ。1505年に稲寺屋が伊丹で「剣菱」の醸造を開始した。その後、津国屋・稲野家・池上家が酒造りを継承。昭和3年には現在の白樫家が受け継いだ。以降も水害や戦時中の空襲と物資不足、阪神・淡路大震災などの難局が訪れるも、頑に当時と変わらぬ「剣菱」の酒を造り続けている。 白樫家には「お客様からいただいたお金は、販売や宣伝に使うのではなく、さらに良い酒を造ることに使うこと」という家訓がある。500年にも及ぶその信頼を守り続けるため、営業部もつくらずに、利益は原材料や酒造りの手間に惜しまずつぎ込んでいる。 「『止まったままの時計でいる』という先代の言葉を大切にしています。流行を追っていたらいつまでも時計の針は合いませんが、止まったままなら必ず正しい時間を指すときがくる。高品質のお酒を愚直に造り続け、お客様に飲んで楽しんでもらうことが私たちのいちばんの喜びです」(白樫政孝専務)ハッシュタグ