【ぐっちー氏が切る!】ブレーキのない列車からドイツは飛び降りるだろう

◆マネーな人々 今週の銭格言 【選者】現役金融マン ぐっちーさん 11月23日にドイツ連邦銀行が実施した新発10年国債の入札は、応募が調達予定額を大幅に下回る異例の「札割れ」。欧州で最も財政が安定したドイツ国債でさえ、十分な需要がなかった。欧州債務危機の影響は拡大の一途!? ◆遂にドイツ国債も札割れ。収束には、欧州連合分割=ドイツの飛び降りしかない!? ←前編はこちら そもそもギリシャ危機が起きたのは昨年の4月ですから既に1年半以上たっている。なのに何でこんなことを続けているのか。疑問に思う方は多いでしょう。最大の原因に、責任を取る人が不明だという制度上の欠陥があります。ドイツ、フランスがEUの財政を救済しなければいけない責務など、EU憲法のどこにも書いていない。日本やアメリカだと、すぐさまFRB、日銀といった中央銀行が登場し、危ない金融機関を倒産させてその間の預金は保証するなど次々と解決策が出てきます。もちろんそのためにお金を印刷しまくるので、インフレリスクと通貨下落リスクを背負います。しかし、日本は「円安がいい」というアホ学者ばかりですから、いくらお金を刷ってもOKと、さっさと救済が図られます。現にリーマンショック後のアメリカはその政策で火を消し止めたのです。 ところがドイツ、フランスはもちろん、ECBという中央銀行にさえ、上記のような介入の権限、機能がないのです。これはブレーキのない列車に皆で乗っていたようなもの。誰が止めるんだ、と言っても止められる人は実は誰もいない。となると、飛び降りる運動神経のある人がさっさと暴走列車から飛び降りるしかない。骨折くらいしても、全員で最後に崖から落ちるのだけは避けますよね。私は個人的に’08年から欧州崩壊を予告していたわけですが、この件もドイツの飛び降りで結末を迎えるだろう、と実は思っています。ただ、あまりにも露骨にはできない。と思っていたら、つい先日に比較的経済力のある「北欧州連合」と「南欧州連合」に一時的に分割する案が出てきました。そうすれば切り離された「南欧州連合」の通貨が大きく切り下げられ、一時的には苦しみますが、韓国やタイのように経済的には回復の見込みが立ち、危機は収束できそうです。 問題は誰が借金を負担するか。誰ですか、また日本とか言ってるフランスの人は!! 【今週の数字】 ドイツ10年債の応募額 36億円 ドイツ連邦銀行の入札では、60億ユーロ(約6200億円)の募集額に対し応募は6割の約36億ユーロにとどまった。平均落札利回りは1.98%。危機拡大を懸念する金融機関がドイツを含めた国債の購入を控えた可能性も

ドイツ10年債、イタリア10年債のチャート。イタリア10年債の利回りは自力の財政運営が困難な「危険水域」の7%台前後で推移

図版/ミューズグラフィック
テキスト アフェリエイト
新Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事
おすすめ記事
Cxense媒体横断誘導枠
余白
Pianoアノニマスアンケート
ハッシュタグ