相席居酒屋に客を取られて…深刻化するキャバクラ不況に歌舞伎町キャッチが怒りの声
今や新たな男女の出会いの場として不動の地位を確立した相席居酒屋。地方への出店ペースも加速しているが、近年、都心部では相席居酒屋をめぐってトラブルが発生している。
トラブルは繁華街のキャッチとそこを歩く男性客との掛け合いから生まれる。
歌舞伎町の路上キャッチ曰く、相席居酒屋の台頭によって、男同士で飲んだあとの「二軒目枠」を相席居酒屋がすべて持って行っているというのだ。
「池袋や新宿が特にヒドいけど、20~30代の若い人は声をかけるとみんな行き先が相席居酒屋って決まっちゃってる。キャバクラより素人と飲みたいんですよね。ぶっちゃけ、あそこ(相席居酒屋)はマジでつぶれてほしい」(歌舞伎町のキャッチ男性)
新橋や神田など比較的客層の年齢が高いエリアの客入りは変わらないというが、若者が多く行き交う渋谷や新宿、池袋ではキャッチが声をかけても「相席居酒屋いきます」の一言を返されて終わり。若い男性たちが相席居酒屋に向かってしまう背景には、彼らの嗜好と懐事情が関係している。
「若い男が求めるのは女のコとの会話であって、『キャバ嬢』との会話じゃないんですよ。相席居酒屋なら女のコとの二次会や持ち帰りのチャンスがあるし、3時間いてもひとり1万円程度。コストパフォーマンスから見ても、座るだけで8000円取られるキャバクラに行く合理性なんてないんですよ」(相席居酒屋の常連客男性)
こうしたキャバクラ不況に繁華街のキャッチが怒りを覚えないわけがない。近年ではキャッチと男性客間のトラブルも絶えない。以下はその一例だ。
・相席居酒屋に入る男性に「おまえら、どうせヤれねぇから!」と捨て台詞を吐いたキャッチと口論になる(歌舞伎町)
・より安い値段で相席できる店と騙して中国人キャバクラに誘導、ボッタクリ被害にあう(名古屋・栄)
・「相席居酒屋は満席で入れないから」とガールズバーに誘導。座っただけで1人3万円の請求(渋谷)
しかし、キャッチが抱く相席居酒屋への怒りにもやや見当違いな点がある。キャバクラと相席居酒屋の客層は年齢や経済状況が異なる。つまり、すべての相席居酒屋に向かう男性がキャバクラの潜在顧客とは限らないのだ。
むしろ、相席居酒屋の影響で繁華街に集う男性の数が増えていると考えれば、キャバクラにとってはチャンスが訪れているとも言える。
「相席居酒屋のあとにウチのキャバクラにきたら割引する」「順番待ちのあいだ30分だけ使ってもらえれば3000円」など、相席居酒屋狙いの客向けのプランを提案することもできるだろう。重要なのは、脅威に対し抵抗することではなく、共存の道を模索することにあるのかもしれない。<取材・文/日刊SPA!取材班>
男同士で飲んだあとの二軒目を相席居酒屋が持っていく
キャッチと男性客間のトラブルが絶えない
相席居酒屋と共存する道も
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