「食物繊維」の摂り過ぎで下痢!? 実は種類が複数あり、バランスよく摂ることが必要だった
また、食物繊維には水に溶ける水溶性と、水に溶けない不溶性があり、それぞれ特徴が違うという。
「不溶性の食物繊維は、排便を促進する作用が強く、水溶性の食物繊維は水を多く含む性質があるため、便を軟らかくする。これらは似ているようでまったく異なります。ですから、この2つのどちらかだけを摂取していてはダメなんです」
不溶性食物繊維は、大豆やあずきなどの豆類、おから、エリンギ、えのきといったキノコにも多く含まれる。水溶性食物繊維は、ワカメや昆布などの海藻類、山芋、ごぼう、納豆など。これらをバランスよく摂取することで、初めて食物繊維の効果が出てくるのだ。
「『食物繊維を摂る!』と海藻ばかり食べていると下痢や便秘に悩まされるかもしれません。不溶性と水溶性をバランスよく摂ることが必要で、目安は3:1あるいは、4:1の割合がいいでしょう」
【奥 恒行氏】
十文字学園女子大学客員教授。前・日本食物繊維学会の理事長。書籍『食物繊維-基礎と応用』(日本食物繊維学会 監修)の執筆に携わる
― [今どきの常識]どっちが正解なのか? ―
1
2
『食物繊維―基礎と応用』 日本食物繊維学会で活躍している研究者が企画・執筆 |
この特集の前回記事
ハッシュタグ