小説家・加藤シゲアキ、初の長編小説の連載は「めっちゃエンタメしてんじゃん!って驚いてもらえるものを書きたい」
加藤:それは嬉しかったんですけど、また「サラリーマンものでお願いします」って言われたときは、「一回持ち帰らせてください」ってなりました(笑)。同じことはやりたくないじゃないですか。前回は“脱サラ”という言葉をヒントに、主人公が「サラリーマンを辞める」「サラリーマンとしての自分を脱ぐ」ところから始めて「サラリーマンって何だ?」という問いに向かっていく形でした。だったら今回は、主人公が「サラリーマンになれない」というところから始めようと思ったんです。そんな主人公を、何にならせようかなと考えていって……『SPA!』って夜の匂いがするじゃないですか(笑)。だったらホストかな、と。
――『SPA!』が加藤さんの想像力を刺激しているんですね。
加藤:読者に毎週毎週、楽しく読んでもらうとしたら、次から次へとどんどん事件が起きて、ひとつの問題が解決したと思ったらまた新たな問題が来てという、かなりテンポの速いものにするのがいいんじゃないかな、と。一話ごとにヤマがあって、ヒキもある、次も読みたくなる。“就活”と“夜の世界”という2本のラインを同時に走らせて、相互の影響の中で、主人公がちゃんと成長していく。今までの僕の本を読んできてくれた人も、「めっちゃエンタメしてんじゃん!」って驚いてもらえるものを書きたいと思っています。
※このインタビューは6/7発売の週刊SPA!のインタビュー連載『エッジな人々』から一部抜粋したものです
取材・文/吉田大助
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