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チリ産“薬漬け”サーモンは、人体にとってどれほど「危険」なのか

チリ産サーモンのASC認証に疑問の声

ASC認証のチリ産サーモン

イオンの鮮魚売り場で売られているASC認証のチリ産サーモン

 こうした問題を解決するため、環境に優しく持続可能な養殖場でつくられた水産物であることを示す、国際的な“お墨付き”がある。「ASC認証」といって「ASC(水産物養殖管理協議会)」が各国の養殖場をチェック、環境に大きな負担をかけず、地域社会や人権にも配慮した「責任ある養殖水産物」と判断されると認証が与えられる。このASC認証を得たチリ産サーモンを日本の大手スーパー「イオン」が4月から売り始めた。  ところが、チリの養殖現場を視察した佐野教授は「ASC認証を受けるには非常にお金がかかり、資金力がないと取得できません。その認証過程も不透明で、信用できない部分もある」と指摘する。  チリの漁業検査官B氏は、ASC認証を受けた養殖場のリストを見た瞬間、「これは何かの冗談ではないか」と思ったと告白する。 「ASC認証の『原則2』には『自然環境および生物多様性への悪影響の軽減』とありますが、養殖業者は自然環境も生物多様性も保護していない。また、原則4は『飼料、廃棄物、化学薬品等の適切な管理』ですが、チリの養殖場に抗生物質の規制がないことは誰でも知っている。こんなチリの養殖業者が認証されているのであれば、ASCは良い認証システムとは言えず、明らかに機能していない」
殺虫剤「Byelice」の広告

サーモン養殖専門誌に掲載された、殺虫剤「Byelice」の広告。チリの養殖場で使われている(『salmon expart』より)

 舞田教授も疑問を口にする。 「ASCの認証の基準の中に『もともとそこにいない魚は養殖しない』というのがあります。生態系に何らかの影響を及ぼす可能性があるということです。それなのに、チリのサーモンはどうして認証を受けられたんでしょうか」 ― 現地から告発「チリ産サーモンは危ない」は本当か? ―
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