更新日:2018年10月02日 21:01
エンタメ

“裸の美人写真家”ヨシダナギ「私がアフリカの裸族と同じ格好をするのは、シンデレラのコスプレするのと同義」

アフリカにも押し寄せる文明の余波

 そんなアフリカに暮らする人たちの生き方に触れるたび、彼女自身も大いに影響されたという。 「楽しいときも悲しいときも彼らは常に全力なんです。嬉しかったら全力で笑い、悲しかったら全力で泣く。すべてがムキだしなんです。下心にしても(笑)。だけど、私にとってはその裏表のないムキだし感がいいなって。小さい頃から日本人の表と裏の顔を使い分けたり駆け引きしたりする部分に疲れちゃって。アフリカ人も嘘をつきますけど、顔を見たらバレバレなので苦労しないんです(笑)」  人も車も建物もない国で退屈さを感じたヨシダ氏は、アフリカ人ガイドに「何もないところから新しい目標や楽しみを見つけられたら、さらに人生を楽しめると思わないか」と言われ、衝撃を受ける。また、別の国では友だちになった貧しい少年に自宅に招待され手厚く歓迎されたりと著書には貴重な体験が彼女の言葉とともに綴られている。 「今振り返ると大変でしたけど、得るものはとても大きかったです。日々の過ごし方、楽しみ方といった学校では教えてくれなかったような基本的なことを、アフリカ人が改めて一から教えてくれたというか。日本の子供だったらたぶんDSやスマホが無かったら耐えられないでしょうね」  しかし、そんなアフリカにも文明の波は容赦なく押し寄せる。彼女自身、大好きなアフリカの変化に戸惑いも感じているという。 「’09年にエチオピアの少数民族を訪ねたときはまだブラジャーをつけている女性はいなかったんですけど、5年後に行ったときにはつけ始めてましたね。携帯電話を持ち始めている人もいましたし、早かったらあと何十年後には裸族と呼ばれる人はいなくなるんじゃないかって。それはそれで生活面や衛生面で何かしらいいことだと思うけど、政府はその推進のために裸族であることを『恥ずかしい』『みっともない』『ダサい』と教えている。私はそれは違うと思うんです。ですから自分が写真を撮り、その『カッコよさ』を伝えることで、少しでも少数民族の文化を残すことになれば⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1144476
アフリカ民族

Photo by Nagi Yishida

アフリカ民族

Photo by Nagi Yishida

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実はカメラはいまだに「好きじゃない」
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株式会社ラーニャ代表取締役。ドラマや映画の執筆を行うライター。Twitter⇒@Yuichitter

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ヨシダ,裸でアフリカをゆく

2009年から2014年にかけて、エチオピアやジブチ、タンザニアなどアフリカ16か国で少数部族を撮り続けたフォトグラファー、ヨシダナギの全記録

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