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何げない夏の風景を煌めくものに変える「never young beach」の音楽の魅力

 そして、ネバヤンにとってサウンドとともに重要なのが、安部の歌と歌詞だ。他のメンバーをいじりつつ軽妙なトークでフロアを笑わせる、MCでの飄々とした風情。それは歌う時でも変わらず、“人生を楽しむこと”を大きなテーマとした歌詞とあいまって、とても親しみやすい。ただ、彼は単なる享楽主義者ではない。 never young beach 頭を空っぽにしてはしゃぐのではなく、むしろ人生の諸々をとことん楽しむために本気で生きているように見える。それがよく表れていたのが、終盤に鳴らされた「明るい未来」。ザ・スミスを思わせるメランコリックなギターが美しいこの曲で、安部は<例えば僕らが死んでしまっても あっちでも仲良くやろう いつまでもそばにいてくれよ>と歌う。何気のない歌詞だが、日常を肯定し、その先にある未来を暖かく見つめる眼差しは頼もしく、だからこそネバヤンの音楽には身を任せて身体を揺らしたくなる魅力がある。  アンコールのラストでは、解放感のあるダンサブルな新曲(タイトル未定)を披露し、最後までフロアをロックし続けたネバヤン。興奮冷めやらぬオーディエンスが願ったダブル・アンコールこそ無かったものの、70分の尺とは思えない濃密で幸福な時間を創りだした彼らの未来は明るい。 <取材・文/北村篤裕>
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1年ぶりとなる2ndアルバムが完成


YASHINOKI HOUSE

ユーモア溢れる歌詞が自然と流れていく夏の輝き

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