オカルト療法にハマる70代女性、誤診で夫を亡くし「病院で治療はしません」
だが、喪失の悲しみに暮れる間もなく、数か月後、河合さんはまったく別の病気にかかってしまう。
「肺気胸でときどき胸が苦しくてすごく呼吸が辛くなるんです。私みたいな高齢女性では珍しいそうですが、主人のこともあって病院で治療はしていません」
以来、河合さんが熱心に通っているのが「呼吸法教室」だ。
「公民館で行っている民間の教室です。参加者全員で目を閉じてゆっくり息を吸ったり、気功とか瞑想を取り入れたりする。日常のストレスを解放するのが目的の集まりです。私以外にも病気を抱えてる人もいます。呼吸の仕方を変えることで、ちょっとでも辛さがなくなれば良いと思い続けています」
健げに笑う河合さんだが、その遠い目に生気は宿っていなかった。
<五本木クリニック院長・桑満おさむ先生の診断>
★肺がんと結核の確定は困難。呼吸法は一刻も早く中止を
肺がんと結核は似た症状が出るため確定診断が難しいのは本当ですが、医師の説明不足は明らか。肺気胸に関して、呼吸法教室はなんの意味もないです。早急に呼吸器科に行くことをお勧めします
【桑満おさむ氏】
五本木クリニック院長。’86年、横浜市立大学医学部卒業。同大学病院勤務を経て現職。地域に密着した診療の傍ら、ニセ医学に関するブログを執筆
― 過熱する[医療不信]が危ない! ―
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