更新日:2016年09月23日 16:36
ライフ

日本の“リトルブラジル”大泉町ではリオ五輪がまったく盛り上がっていない!?

「ああ、そういえばもうすぐ開催でしたね」

 すれ違う歩行者も日系人ばかりで、交番や停まっているタクシーを見て「ここは日本だ」と再認識するこの街。この周辺に限って言えば人口の半分以上が南米系なのでは無いかと思ってしまう。だからこそ、街ぐるみでリオ五輪の盛り上げをしていてもおかしくはないのだが…。  近くのスーパーで働く日本人店員は「ああ、そういえばもうすぐ開催でしたね。普段からサンバやグルメ横丁など、定期的に異文化交流を深めるイベントはやっているので、特に五輪の時に大々的にやろうというムードではないです。今のところ五輪当日にも特にイベントは無いですね…」とあっさりした回答。

現地の日系ブラジル人は…

 肝心の日系ブラジル人は何と語るのか。幹線道路沿いをしばらく歩いていると、大きなポルトガル語の文字とともに巨大なスーパーが点在。入ると日本人は自分一人で、地元の日系人たちが併設された軽食スペースで歓談していた。  その内の一人にリオ五輪について聞いてみると「ああ、リオ五輪ね。特に興味ない(笑)。何か大泉町でイベントをやるなら楽しむし、この街に合わせるよ。周りもそたぶんそうだと思う、私たちは普段通り働いて過ごすだけ。まあサッカーだけは見るけどね」と笑ってかわす。  ここに来る数多くの移民が、三洋電機(現・パナソニック)や富士重工の下請け工場で働く。皆それぞれが「稼ぐ」という目的でやって来ているため、陽気さとは無縁の日常を送っていた。祝祭ムードは、五輪の開催を迎えても街も人も冷めている…と予想して良さそうだ。 <取材・文/日刊SPA!取材班>
1
2
おすすめ記事