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“大麻王子”が語る大麻のいま「日本の老人こそハッパを吸うべきだ」

――まだ非合法なはずなのに、バンクーバーのカンナビス・ショップの数に驚かされています。どういうことなんでしょうか? マーク:バンクーバーには100ほどの店がある。ほとんどは医療用をうたっているが、私たちの店では、店内で消費するのであれば誰にでも売っている。店は急激に増えていて、年末には1000にも届くだろう。トロントにも約200の店ができる。  もう誰も、わざわざ彼らを告発したりはしない。計50年間もの闘いの末、裁判官も疲れ、彼らは告訴を却下し始めた。これは大事なことだ。  それにしても、なんて美しいバッズだ。  これは、「マスター・クッシュ」。このあたりで買えて吸える、メインの品種の一つだ。多くは剪定され過ぎてるんだが、これはちょうど良く、美しい。 マーク・エメリー氏――活動を長く続ける秘訣は? マーク:もう26年間になる。状況は、大きく変わったんだ。  現在は毎日、新聞にカンナビスについての記事が載る。日々その医療的効能、合法化、産業の大きさが紙面で語られている。  私たちは勝利した。  そして今も日々社会を教育し、老人たちにまで情報が行き渡り、彼らはカンナビスを欲している。皆、身体に痛みや辛さを抱えているからだ。  私の父は、心臓発作で亡くなった。母の死因はアルツハイマーだった。カンナビスは、その両方に効能を持つ。THCは呼吸器官を通じて身体中に行き渡り、血管に入ると、発作やアルツハイマーの原因となる因子を壊してくれるんだ。  私は社会の親たちに伝えたい。  「10代の子どもがマリファナを吸っている」という親たちに、「喜ぶべきことだ」と。「カンナビス愛好家とこそ、人生の貴重な時間を共に過ごすべき」と。  親たちは、子どもが14~15歳になったらいいカンナビスを与えて、「これを一緒に楽しめる友達と遊びなさい」と教えるべきだ。そうすれば、子どもたちは酔っ払い運転はしないし、レイプも暴力も、盗みも働かない。そして代わりに、世界中に蔓延する問題について想いを馳せるようになる。 ――日本のカンナビス愛好家にメッセージはありますか? マーク:一度是非、バンクーバーに来て欲しい。成田から楽な直行便があるし、オフシーズンであれば、街の中心地のホテルが8~9000円でとれる。そしてここカンナビス・カルチャーで4、5日を過ごし、滞在を楽しんでほしい。  その上で「これを日本で実現するには、何が必要なんだろう」と考えて欲しいんだ。それは価値のあることで、真似できることは可能な範囲でやってみて、実際に何が起きるかをみて欲しい。警察が来るかもしれないが、同時に大学生たちが怒りを表明するかもしれない。真のカンナビスの姿を伝えることさえできていれば、それを自由にできないことに、頭にくる人間がいるはずなんだ。  日本と韓国はアルコールを摂取し過ぎで、それは身体的にもとてもよくない。アジアでは基本的にカンナビスを入手しにくく、ほぼ強制的に飲酒させる環境がある。  誰もカンナビスでは死なない。でも、多くの人が飲酒で命を落とす。  日本の自殺率は高いだろう? サラリーマンは特にそうで、カンナビスはそんな状況に気付きと希望を与えてくれる。アルコールは逆に、呑む人間の心を落ち込ませ、健康を壊し、たくさんの問題を起こす。  他に例えば、専業主婦が家に残って一人で掃除をするのは繰り返しの作業だ。そこでカンナビスを一服すれば、作業そのものが面白くなる。その効果や必要性、意義が明確にわかるようになる。 マーク・エメリー氏
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合法化に向けた世界の潮流
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