ガン患者の多数は「年収は減ったが、金銭的に困ってはいない」
ガンの治療には医療費以外の出費も付き物だと言われるが、なかでも目立ったのが「交通費」。「通院時の体の負担を減らすためにタクシーを利用」(43歳・膀胱ガン)という人や、なかには「東北から東京の病院まで100㎞以上の道のりを通院。なるべく格安航空券を利用するようにしている」(48歳・脳腫瘍)という人も。
次いで「生活費」がかさむようになったことを訴える声も多数。
「体形や髪形が変わるので、衣服費が増えた」(45歳・前立腺ガン)
「健康のためジャンクフードは断って大幅な食事の改善を行っている分、食費は増加」(47歳・胃ガン)
一方で「病気になってから外を出歩かないので、まず酒代が減った」(40歳・悪性リンパ腫)といった声も多いので、そのあたりはトレードオフと言ったところか。
もちろん「想像以上に抗ガン剤の薬代が高く、月10万円以上はこれからもかかりそう」(47歳・大腸ガン)といった切実な声もあり、楽観は許されないが、「ガンになったせいで破産寸前!」というような悲惨さはアンケートからは感じられなかった。もちろん、従来の治療法で治療が望めないガンにかかった場合に莫大な費用がかかるのは事実だが、長い人生、自分の身に起こり得るすべてのリスクに備えようとするのは現実的ではないだろう。どこかで“一線を引く”必要性を、改めて考えさせられる結果となった。
なお、ガンの治療に際してお金に困った場合は、さまざまな救済制度が存在する。前出の高額療養費制度が有名だが、ガンになると障害年金を受給できるケースがあることは意外と知られていない。もっとも、年金未納の人は当然ながら適用されないので、ご注意を。
― [40代でガン]の実態 ―
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