だが、昨年の全豪オープン決勝で見せた姿勢に疑問を投げかけた記事がある。英『エコノミスト』誌が運営するサイト『1843』掲載の、「The real meaning of rivalry」。
寄稿したのは、元クリケット選手のエド・スミス。決勝戦後にアンディ・マレーと交わされた握手がいかにも不機嫌で、冷ややかだった理由を考察している。
第3セットの始め、明らかに不調な素振りを見せていたジョコビッチ。その姿に困惑し、集中を失ったマレー。
しかしそう思ったのもつかの間。ファイナルセットのジョコビッチは圧巻のプレーぶりだった。つまり、“試合巧者”のジョコビッチにしてやられたのだ。
納得のいかないマレーは、素直に勝者を称える気になれない。それが、後味の悪さとなってあらわれたのだ。
勝負事である以上、付け入る隙を与えたマレーも迂闊だっただろう。だが、そのようにして得られた勝利は、スポーツの発展に寄与しないというのがスミスの考えだ。