更新日:2017年10月17日 13:49
ライフ

「看護師ストーカー」になってしまう患者たち

ストーカーへと変貌してしまう患者の共通点

 心身ともに弱ってしまった患者にとって、看護師は優しさに溢れた頼もしい存在だ。自分だけではできないことを親身になって助けてくれる。こうした“優しさ”から、残念なことに一部の患者から過度に好意を寄せられ、困惑している看護師がいるのも事実である。看護師を狙ったセクハラや犯罪は絶えず、身の危険を感じて退職する人も少なくない。さらにはSNSの普及により、その悩みが余計に大きくなっていると都内在住で20代の女性看護師は言葉を漏らす。 「かつての患者さんから『お世話になったお礼を言いたいからお会いしたい』と連絡をいただくことがあります。しかし最近では、TwitterなどのSNSを使って不特定多数に拡散してまで私の身元を探そうとする方もいて、それに同情するように情報を提供する方もいます。看護師はストーカー被害に悩まされることが多いので本当に困りますし、感謝の言葉だけいただければ十分です」  しかし、困難をともに乗り越えた看護師に好意を抱くのは女性でも同じだ。かつて看護師に救われたという30代の女性は「腫瘍の摘出手術で、局所麻酔で意識があった私の手を握ってくれて、同性なのに惚れてしまいそうになった。これが異性の看護師さんなら、恋愛対象として惚れてしまう人がいてもおかしくないですよね。看護師さんもたくさん面倒なことがあって大変そう」と話した。  それでは、どういった患者がストーカーへと変貌してしまうのだろうか?  実際に看護師と現場で働く40代の男性医師は「看護師は患者との距離が近かったり、お尻を突き出すなどの動作があったりと、患者が異性として意識してしまう状況が少なくない。看護師に優しく看病されることを勘違いし、好意を寄せてしまうという話はよく聞きますし、モテない男性のほうが勘違いしてしまう傾向がある。幼少期に両親に甘えられなかった人や、親が受け入れてくれなかった生い立ちを抱える人がストーカーになりやすいとも言われる」と分析する。
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高齢者によるストーカー行為も
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