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シー・シェパードに入団した

日本の捕鯨活動に対し、手段を選ばぬ過激な妨害行為を行い賛否両論を巻き起こしている反捕鯨団体、シー・シェパード(以下、SS)。アメリカに本部を置き、反捕鯨派の有名人や大手企業に支持される一方、一部では“エコテロリスト”とも呼ばれている。

2010年からはついに捕鯨の名所・和歌山県太地町に常駐を開始、さらに最近では捕鯨妨害に際しドローン(無人機)を2機導入したと報じられその手口は年々過激化している。

そんななか、編集部はSSが日本人の団員を公募しており、むしろ歓迎しているという情報を入手した。

履歴書

アプライ用に書いた履歴書。英語で各項目を記入し、自己アピール欄で「(鯨と)私たちは友達です!!」と熱い一文を添える

SSのメンバーは、いったいどんな奴らなのか? 何が目的でそんな活動をしているのか?

記者は捕鯨に賛成も反対もないのが正直なところだが、SS内部の実態がどうなっているのか興味は尽きない。

応募方法はホームページからPDFを印刷し、ボランティア経験や無線知識の有無などを詳細に記入するだけ。さらに志望動機を英語でプレゼンし、YouTube上にアップするというもの(※年度によって変更あり)。案外、簡単に一員になれてしまうことに驚かされる。本来の応募方法だと合否が決まるまで時間がかかりすぎるため、和歌山県太地町まで出向き、飛び込みで入団を申し込むことにした。

昼過ぎに太地町の漁港に到着するも、あたりは閑散としている。地元の漁業関係者によると、鯨漁は早朝5~6時頃にスタートし、遅くても朝10時くらいまでには港に戻ってくるとのこと。SSの連中は、この時間に合わせて活動しているのだという。

太地町

太地町。クジラのモニュメントが印象的だ

SSについて語る地元住民の口は一様に重い。最近でこそ網をナイフで切るなどの直接行動は控えているようだが、ニヤニヤしながら至近距離まで近づきカメラを回したり、漁民に罵声を浴びせてきたりすることはままあるという。そこでキレたりしたらSSの思うツボ。すぐさま動画に撮られ、「野蛮な捕鯨関係者」という演出を施されてしまうのだ。こうしたことから、太地町の住民はSSの存在を無視するようになった。むしろ今は町の外から来た右翼とSS間でトラブルが絶えず、地元の漁業関係者不在のまま太地町の捕鯨問題は進行している。

さて、そのSSのメンバーだが、隣町・勝浦のビジネスホテルを定宿にしているという。彼らは食料を大量に買い込み、ホテルの部屋で自炊をしている。移動もすべてレンタカーによるもので、普段はホテルにひきこもり、ほとんど街に出ることがないらしい。長期間に渡り勝浦町に滞在しているにもかかわらず、素性はほとんど知られていないのだ。

とはいうものの地道な聞き込み調査を続けているうち、彼らがよく足を運ぶ飲み屋があることが判明した。『R』というそのスナックは、なんと店長自身が太地町くじら博物館の関係者。店内のいたるところに鯨の写真やポスターが貼ってある。つまりSSの連中は、むざむざ敵陣営のスナックまで足を運び酒を飲んだくれているというのだ。『R』の店長に話を聞くと、あっさり「あぁ、よく来ますよ」と認めてくれた。

しかし店で聞いたSSの実態は、こちらの予想とはだいぶ違うものだった。まずSSには、過激な活動に眉をひそめる穏健派の一派がいるという。ベジタリアンの彼らは、あくまでも気のいい自然主義者。地元住民の声にも一定の理解を示している。過去には直接行動派が店内に入ってこようとするところを、ベジタリアン一派が追い出すという一幕もあったらしい。SSは決して一枚岩ではないのだ。

密漁監視中

古くから太地町の人々にとって捕鯨は生命線なのだ

また、SS穏健派とよく論議するという常連客のひとりは「こんなことは鯨業でメシ食っている太地町の人たちには言えないけど……」と声を潜めながら話す。

「SSの奴らが来なかったら太地町の捕鯨は安泰かっていえば、そんなことはない。彼らがいてもいなくても世界的な商業捕鯨禁止の流れは止められないのだから、太地町の未来を考えたら他の産業にシフトすることも視野に入れなくてはいけないんじゃないの?」

淀んだ目で焼酎お湯割りをかき混ぜる彼の意見も一理あるように思えた。一枚岩ではないSS内部、地元から挙がる様々な声、無視する猟師たちと便乗する街宣右翼……捕鯨とは何か、改めて考えさせられるのだった。

※【後編】に続く⇒http://nikkan-spa.jp/125264
いよいよシー・シェパードメンバーに入団を直訴!果たして……

くじら丼,くじら汁

新鮮なくじら肉を使ったくじら丼とくじら汁。非常に美味であった

取材・文・撮影/週刊SPA!編集部




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