外山恒一、物騒な文書を微博でバラまこうとしたら即アカウント削除される
――長いものは読みたがらない人も多いですし、かいつまんで内容を紹介してください。
外山:前回のインタビューでお話ししたことと重なりますが、まず日本が中華文化圏の一員であることを再確認し、文字つまり漢字や、道徳つまり仏教や儒教まで、この東の辺境の未開の野蛮人どもに教えていただいたことに厚く感謝申し上げた上で、日中間の最大の懸案の1つである歴史認識問題について、私の立場を明らかにしています。
――例の、“日本の過去の戦争を中華主義に基づいて正当化する”というやつですね。
外山:その文脈に紛れ込ませる形で、ファシズムつまり国家社会主義に関する一般的な誤解をとこうともしています。毛沢東先生は、ソ連が押しつけてくる方針を突っぱねて革命を成しとげ、中国の国情に合った社会主義の建設を進めてこられたのであり、日本の戦前の国家社会主義者たちも、ソ連に盲従していた日本共産党とは一線を画した“もう一つの社会主義”を志向したのだ、と。そして実際、毛沢東先生も尊敬されていた孫文先生の支援に奔走した日本人というのも、主に北一輝をはじめとする国家社会主義者たちだったのだ、という故事を思い起こしていただきたい、と。
――ざっと目を通しただけですが、孫文や毛沢東の言葉を引いて中国を牽制しようとしているのも読みとれます。
外山:牽制だなんてとんでもない。お2人とも偉大な方です。あと孔子先生ですね。この御三方の権威は中国共産党といえども公然とは否定できないはずなので、ことさらに引用して笠に着とこう、などという姑息な計算など毛頭ありません。
――しかし、前回も思いましたが、外山さんは何だかんだで歴史的経緯を踏まえた上でいろんな主張をされてますよね。
外山:それは当然です。しかも歴史を振り返れば、そもそも悪いのはアジアを侵略しに来た欧米列強であって、日本と中国は、その欧米列強に対抗する方法やタイミングがズレてしまったから今日のように険悪な関係になってしまっているだけで、スタート地点に立ち戻れば本来は何ら揉める必要はないんだと分かりあえるはずなんです。で、今回の“上表文”でもそういうことをルル述べた上で、「しかし今や中国は百数十年に及ぶ苦闘を経て、あの傲岸不遜なアメリカでさえも遠慮し始めるぐらいの堂々たる大国として、見事な復活を遂げつつあります。今度こそ中国を中心に東アジア諸国の団結を実現し、にっくき欧米列強を懲らしめてやりましょう。私たち日本の国家社会主義者も、親米の国賊自民党による反革命政権を一日も早く打倒して、その隊列に加わりますよ」……とまあ、そういうお手紙です。
――だから活動資金を提供してください、と。
外山:いやいや、そこまでは今回のところは書いてませんが……。
――過去の日本の中国侵略について、むしろ中国が日本に謝れという、虫がいいというか、アクロバットとしか言いようのない要求は?
外山:それはもちろん書いてます。“格下”の日本に謝罪させるなんて、“東アジアの盟主”たる者の振る舞いではないでしょう。逆に上から目線で「要らぬ苦労をかけたな」と日本をねぎらってやる方が、「さすが盟主様だ」と日本人も恐れ入って一億総感服しますし、向こうとしても気分がいいはずですよ。
――ともかく、おおよそそういう内容である、と。
外山:はい。詳しくは各自で読んで確かめてください。
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