更新日:2022年08月07日 19:21
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外山恒一、物騒な文書を微博でバラまこうとしたら即アカウント削除される

――で、反応はどうなんです? そもそも習近平サンをはじめ、あちらのお歴々には読んでもらえたんですか? 外山:もちろんそんなにすぐ読んでもらえるとも、まして反応があるとも思ってませんよ。とりあえずネットに上げて、中国の人の目にとまって、ジワジワとこの文書の存在が認知され、広まっていけばいいな、と。 ――“微博”にアカウントでも作るといいんじゃないですか? あるでしょ、中国版のtwitterみたいなのが。 外山:作りましたとも。そりゃあもう“上表文”公開と同時に作りました。プロフィール欄に「日本的革命家」って記入して、中国語版の“上表文”から、原文の「今度こそ、あなたがたが盟主、我々はそれを支える一員という本来あるべき関係のもと、共に手を結び、かの暴虐なる欧米列強の世界支配の野望をいよいよ最終的に打ち砕いていこうではありませんか」にあたる部分を抜き出して貼っときました。で、記念すべき最初のツイートとして、さきほどの“日出処天子”的な冒頭の書き出しフレーズをそのままコピペして、“上表文”のURLを添えたんです。これで私も中国人民に大人気もう間違いなしでしょう。遠からず“蒼井そらか外山恒一か”ってぐらいの状況になりますよ。と、まあ、そう思ったんですけどねぇ……。 ――どうしたんですか、急にテンション下がって。 外山:ソッコーでアカウント削除されちゃいました。 ――あらら。 外山:さっすが世界に冠たる大国を統べる偉大な社会主義政党の指導者様がたです。対応が実に細やか、まったくぬかりない! ――あくまで褒め倒すスタンスは変えないんですね。 外山:誤解されただけでしょう。同じ日本人同胞にさえ私はなかなか理解していただけないぐらいなんですから、仕方ありません。しかし真意はいずれ伝わるはずです。私がウソ偽りなく心底から中華主義者であり、日中の関係改善を望んでおり、私が提起している路線こそが日本を一夜にして“親中”の国に、しかも中国側の主導で変えてしまう妙手だ、ということがです。 ――しかし、いきなり拒否られてるんでは、ねぇ……。 外山:いやいや、私はあきらめません。今回の“上表文”公開に先だって、中国のネット事情についても多少は勉強してみたんです。そしたら、例の「08憲章」とかいう民主化要求の宣言書も、もちろん中国政府は人民に閲覧させないようにしてるんですが、人民は人民であの手この手で政府の監視をくぐり抜けて、ちょっと検索ワードを工夫すれば辿り着けるようにされてるようなんですよ。私のやつは、「08憲章」と違って中国共産党にとって実はまったく不都合な内容ではなく、むしろ中国共産党と中国人民の双方を利するものなんだし、誰かがそのことに気づいて広め始めてくれれば、意外と急速に浸透するんじゃないかと思ってるんですけどね。 ――さあ、何ともお答えしようがありません。 外山:とにかく最初の何人かだと思うんです。中国のネット論客とかに、今回の“上表文”を「面白い!」と思ってくれる人が何人か出てくれば、あとは時間の問題だろうと楽観しています。せっかく日本語版も公開したんだし、「なるほど、この線で中国のネット世論が対日関係を考えるようになってくれれば、現在の日本が陥りつつあるヤバい状況から抜け出せるかもしれない」と思ってくれて、かつ中国語も多少はできるという人は、それぞれ勝手に、これができるだけ多くの中国人の目に触れるように“工作”してほしいです。 ――外山さんが期待している方向に事態が展開するかどうかはともかく、とりあえず外山さんが中国で蒼井そらさんと人気を競うようなことにでもなったら、そりゃ笑えますけどね。 外山:中国人民が私を支持してくれれば、中国共産党も私の存在を少なくとも気にかけてくれるようにはなるでしょう。そして、よくよく吟味してみれば、私の提起が中国共産党にとっても非常に有益であることを理解してもらえると信じています。私がファシストであることも問題になるはずがありません。なにしろかつて鄧小平先生が、「白い猫だろうと黒い猫だろうとネズミを捕るのが良い猫である」とさっすが物事の本質をズバリとお突きになる歴史的名言をさらりと放たれたとおり、掲げている看板がファシズムだろうと共産主義だろうと、欧米列強からの圧力と対峙しながら東アジア諸国の共存共栄を目指して努力するのが良い政治である、と中国共産党の偉大な指導者たちが考えないわけがありませんよ。  さて、行きがかり上、3回にも渡ってお送りすることになってしまった外山恒一氏の「日本は中国に朝貢せよ=中華褒め殺し」インボーは、現状、トホホな顛末を迎えていることが判明した。このまま何事もなく収束していくのかどうか、今後の展開はわからないが、大きな動きが発生した場合はまた詳報したい。 写真提供/YUKAKO NOMOTO(日本の志)
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