日本の新幹線は全てをコンピュータで制御している!? 40年かけて進化した驚異の運行管理システム
鉄道は国家の大動脈。リニア中央新幹線開通が現実味を帯びてきた現在、ついに田中角栄が構想した「日本列島改造論」が完成するのか? そこでSPA!は鉄道による日本経済活性化策を「テツノミクス」と命名。その実現度を探る。
平均54秒。これは、’13年度の東海道新幹線の平均遅延時間だ。大雪や台風で数時間単位の遅れたケースも含めた平均時間がこの秒数なのだから、驚異的な数字である。
一日の運転本数は約300本。年間で約12万本の列車が走るこの路線は東京と大阪を結ぶ日本の大動脈だ。列車の安全な運行には、もちろん時刻に正確な運転が欠かせない。それを追求した結果、東海道新幹線はコンピュータが人やモノすべてを支配するかのような路線へと進化しているという。
列車の運行管理をするCOMTRAC(コムトラック)と、それ以外の情報を管理するSMIS(スミス)という2つの大きなシステムが、東海道新幹線の運行に関するすべてを仕切っているのだ。
「COMTRACは’72年、SMISは’73年に使用が始まり、東海道新幹線だけでなく、山陽新幹線でも使われています。この2つのシステムが、列車をきめ細かく動かし、ダイヤが乱れたときにも威力を発揮します」(鉄道ジャーナリスト・梅原淳氏)
指定券が発売開始と同時に満席になりそうな場合、担当者の判断でその列車の前後の時間帯に、臨時の新幹線を設定する。するとCOMTRACとSMISが列車の進路を変更したり、車両のやり繰りの算段を付けてくれる。
「COMTRAC、SMISは『この時間には増発できない』と返事をすることもあります。でもすごいのは、『こうすれば増発可能』と代案を出してくること」
すでにAI並み!? 驚異の運行システム
40年かけてシステムが進化
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