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日本の新幹線は全てをコンピュータで制御している!? 40年かけて進化した驚異の運行管理システム

 ほかにも「この線路の砂利を交換すべし」とSMISが判断し、工事作業員のシフトまでも作るという。つまり、東海道・山陽新幹線の運転する列車、働く人のシフト、工事の計画など、すべてをコンピュータが決めているのだ。
梅原 淳氏

梅原 淳氏

「車両にもコンピュータシステムが搭載されてます。N700Aの定速走行装置は列車の速度を自動調整し、数分程度ならば電車の遅れを取り戻せるようになりました。東海道新幹線のダイヤは毎日異なりますが、COMTRACから送られたデータをもとに運転士や車掌のシフトもより細かく、効率よく組めるようになりました」  結果、なんと乗務員は前日にならないと、どの列車に乗るかわからないこともあるそうだ。 「効率の良さと安全性を突き詰めた結果、人間の頭ではすぐ計算できない、複雑なことをやれるようになったわけです」  40年の時を経て、ダイヤだけでなく、関わる人すべてを支配するかのようなこのシステム。「AIが人々を支配する?」などの議論が活発な昨今だが、鉄道界ではすでにその図式が出来上がっていた!? 【梅原 淳氏】 交友社月刊『鉄道ファン』編集部などを経て、’00年から鉄道ジャーナリストとして活動を開始する。著書に『鉄道の未来学』などがある ― 鉄道進化論[テツノミクス]は到来するのか? ―
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鉄道ファン 2016年12月号

新幹線700系特集


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