更新日:2022年08月08日 03:40
エンタメ

フリースタイルラップが大ブーム! “ラップバブル”に至るまでの経緯を一挙におさらい

 トレンドの変化やSNSやYouTubeの発達により、ラッパーが名を上げる手段が増えるとともに、MCバトルもバトルという機能に特化/先鋭化し、マニアックと捉えられがちなものになっていくが、’12年にスタートした「BAZOOKA!!! 高校生RAP選手権」(BSスカパー!)の放送によって状況は劇的な変化を遂げる。オタク、いじめられっ子、ヤンキー、性差、人種……。さまざまなバックグラウンドを持つ高校生が、ラップという武器で互いに青春と人生をぶつけ、バトルする。このコンテンツは中高生を中心に爆発的な注目を集め、現在のフリースタイルブームの起爆点をつくった。  そして昨年、ZEEBRAのオーガナイズで始まった『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日)によってMCバトルはお茶の間に拡散。CMでのモチーフ化やお笑い芸人によるMCバトルの開催など、「1億総ラッパー化現象」とも呼べる状況になり、多様な方法論でMCバトルは広がっている。 <主なMCバトルの大会> ●KING OF KINGS 『フリースタイルダンジョン』にも出演中のMC漢 a.k.a GAMIが率いる9sariグループが主催するMCのバトル。「戦極」など他バトルとも連携している ●戦極MCBATTLE MC正社員が主催するバトル。正社員はMCバトル・イベントの制作や、ラッパー:ACEなどのマネジメントを行うバトル専門会社「株式会社戦極」も運営 ●ULTIMATE MC BATTLE 各都道府県に近い規模で全国で地区予選を行い、年末にグランド・チャンプを決める老舗バトル。観客の声援による判定など、現在のバトルの基礎ともいえる存在 ●ENTER 韻踏合組合が主催し、今年で10周年を迎える関西を代表するMCバトル。その中からは「ダンジョン」でもモンスターとして活躍するR-指定などを輩出している ●その他のバトル サイプレス上野主催の「ENTA DA STAGE」、2対2のチームで戦う「As One」、20歳以下で行われる「SCHOOL OF RAP」など、数々のバトルが開催中 <日本フリースタイル史年表> ’93年:K.I.Nらがフリースタイルを始める ’99年:「B BOY PARK」にてMCバトル開催 ’03年:エミネム主演映画『8Mile』日本公開 ’05年:COMA-CHI、「BBP」女性初準優勝 ’05年:「ULTIMATE MC BATTLE」スタート ’12年:「BAZOOKA!!! 高校生RAP選手権」放送開始 ’14年:「UMB」にてR-指定が3連覇 ’15年:『フリースタイルダンジョン』放送開始 <フリースタイルミニ辞典> ●B BOY PARK ’97年からスタートした日本最大規模のヒップホップイベント。’99年には初めてMCバトルが行われた ●MC 「Master of ceremonies」(司会者)の略。ラッパーを指す ●BAZOOKA!!! 高校生RAP選手権 「BAZOOKA!!!」(BSスカパー!)内で放送されている高校生がフリースタイルラップでMCバトルをするコーナー ●フリースタイルダンジョン ’15年よりテレビ朝日にて放送されているフリースタイルバトルをテーマにした番組 取材・文/高木JET晋一郎 ― [1億総ラッパー化]現象を追う ―
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