中年童貞の問題解決には、国家的な救済措置が必要!?
大量に中年童貞が生まれた陰には「アダルトコンテンツの変化もあった」と中村氏は指摘する。
「’98年を境にセルビデオメーカーがマーケティングしてAVを作るようになり、女優とデート気分が味わえるような作品ばかりになっていったんです。悩まず、手軽に処理できるツールが充実し、ますます中年童貞は女性と縁遠くなっていくわけです」
いまや200万人を超えるとされる中年童貞。彼らが引き起こす問題に対処法はないものか。
「今、厚生労働省は生活保護の代替として失業者に介護職をあてがっていて、それが中年童貞の温床になっています。そもそも介護には相手が何を欲しているのかを読み取るコミュニケーション能力が必要なので、中年童貞には向いていません。ただ一方で、彼らはマジメな性格で、一人ひとりならば力仕事や細かい組み立て作業など得意分野を持っています。中年童貞が得意ジャンルを生かせる仕事が見つかるよう、求職支援や職業訓練を行うなど国としての対策も必要だと思います」
【中村淳彦氏】
’72年、東京都生まれ。著書に『ルポ 中年童貞』(幻冬舎新書)、『崩壊する介護現場』(ベスト新書)、鈴木大介氏との共著に『貧困とセックス』(イースト・プレス)などがある
取材・文/SPA!「中年童貞」問題取材班
― [中年童貞200万人時代]のリアル ―
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