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ネット論者がSNSのウザ言動を一刀両断

 SNSが普及するにつれ、どうしても目につくウェブ上にはびこるウザい人たち。彼らの登場をウェブの専門家たちはどう見ているのだろうか。ネットに詳しい2人に論じてもらった。

【田端信太郎氏】
外資系企業でデジタルコンテンツ開発を担当。ブログ「TABLOG」やツイッター上でのコメントの的確さに、ウェブ界隈を中心に定評がある、注目のネット論者

【中川淳一郎氏】
ネットニュース編集者。PRプランナー。『ウェブはバカと暇人のもの』著者。今回の対談でFBでは「Kenny Walker」という偽アカを持つことが明らかになった

田端信太郎,中川淳一郎

左:田端信太郎氏 右:中川淳一郎氏

――まず、2人がSNSなどで「ウザい」と感じてしまう人の特徴を教えてください。

田端: 僕は「かまってちゃん」なオーラを出してる人が気になります! 「プレゼン準備で一昨日からもう40時間起きてるわ~」みたいな寝てない自慢をする人とか。あと、職場によっては、上司が部下に自分のコメントに対する「いいね!」ボタンを強要してたりしてね。「俺の酒が飲めないのか!」ではなく、「俺の『いいね!』が押せないのか!」って。これ、アルハラならぬソーハラ(ソーシャルハラスメント)ですよね!

中川: 別に、暇であることは悪いことじゃないのに、なんで忙しぶりたがるんだろう。「お前が徹夜しても誰にもメリットないんだけど!」と言ってやりたくなる。

田端: でも、僕はああした書き込みって、栄養ドリンクとか野球の声出しみたいなものなんじゃないかと思っていて。「忙しい!」と書き込むことで、自分のモチベーションを上げているんですよね。

中川: 完全に、オナニーですね。

――確かに、いまのSNSは、自分の生活を垂れ流しすぎですね。

中川: 美人と一緒のときとかいい店に行ったとき、妙にアピールするとかね。それって、自分をリア充に見せたいだけなんですよ。「美人と一緒にいる俺、イケてる!」「こんなオシャレな店に来ている俺、イケてる!」って。「セルフブランディング(笑)」というか。

田端: あれって完璧に「なりたい自分」を演出している気がするんですよね。SNSにおける人格は、アバターなんじゃないかなぁ。

中川: 確かに。あと、妙なポジティブコメントする人も危険。俺の中では、「みんなの笑顔に乾杯!」「出会いに感謝!」と言うヤツはたいてい胡散くさい! 他人のコメントに「すごーい☆」「いいなー」とか差し障りのないコメントをつける風潮も同様にウザいです。

田端: みんながSNS上で正論ばかり言いたがるこの現象を、「建前2・0」と呼びたい! 聖人じゃないんだから絶対腹も立つだろうしエロいことだって好きなはずなのに、SNSでは一切言わない。

中川: この現象は有名人とか社会的地位がある人に特に顕著ですね。

田端: でも、僕はSNS上で下ネタや毒、本音を吐けない有名人は「退屈だな」と思いますけど。

中川: 要は他人に嫌われたくないんですよ。だから、正論ばかりの当たり障りのないコメントをしたり、他人のコメントに異論があったとしても表立って言えない。

田端: Facebookみたいに実名制のSNSが出てきてから、余計そういう人が増えましたね。

中川: でも、実際、本音でつぶやくと「その発言はどうかと思います!」とか「人格を疑います!」とか言い出すバカもいますから。これもまた面倒くさいんですよ。

――最後に、SNSでウザい人への対処法を教えてください。

田端: 無視する。「ああ、かまってもらいたいんだな」くらいに余裕でいればいい。

中川: イラついたら偽アカウントで本音を吐き出したらどうですか? 現に俺のFacebookアカウントはアメリカ人の「Kenny Walker」だし。

田端: え、いいんですか。偽アカだって、バラしちゃって?(笑) 

中川: いいよ! この対談で実名制を謳うFacebookでも偽アカが取れることを身をもって証明します! ま、バレたらアカウント停止の可能性もあるから、そこは自己責任でやってくださいね。

取材・文/加藤カジカ 藤村はるな 取材/朝井麻由美 黒田知道 撮影/難波雄史(本誌) イラスト/まるやまともや
― SNSで[嫌われる言動]大全【7】 ―




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