奇祭・東久留米花祭りは何がスゴいのか? 「民俗学をやるなら必修科目」と言われる理由
中央で湯釜を沸かし続ける空間の中で、中学生から幼児までが参加する「花の舞」などが披露される。大人たちはお酒などを片手に、衣装に身を包んだ愛らしい子供の姿にしきりにカメラを向ける。
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終盤に近づくにつれ熱気も増し、時には観覧者もまとめて踊る光景も。「鬼様」と敬われる山見鬼(やまみおに)・榊鬼(さかきおに)が火花を散らす舞では、花祭りで敬われる存在である鬼が登場し、火花を散らして舞う。
釜の火をマサカリで引っ掻き回した後、祭り囃子に独特のトランス状態へ誘われるように、テンションは最高潮に達し、釜の湯を皆でかけ合う「湯ばやし」でクライマックスを迎える。この湯を浴びると無病息災になるとされている。
長い歴史を持つ奇祭が公団団地の広場で伝承されている様子は非常に現代的だ。だが、滝山団地の集会広場の高揚した空気に、伝統の継承以外に祭りが持つ価値が浮かび上がってきたと言える。
過疎化が進み、都市部への人口集中、マンション居住率が上がる昨今、東久留米・花祭りのような「伝統的だけど現代的な祭り」は今後増えていくのかもしれない。 <取材・文/日刊SPA!取材班>
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