自衛隊員は“マイ換気扇”を持参して引越しをする【自衛隊の知られざる貧乏生活】
「何もかもが足らない! ボンビー自衛隊の実態! 03」
「自衛隊は衣食住が無料でほとんどお金を使わないから、安月給でもお金が貯まりますよ」という勧誘文句を聞いたことがあると思います。
「まあ、米軍の軍人のように『住』は無料だろう? 好きなところに住めるわけじゃなし」と思うでしょう。自衛隊の営内という基地内の隊舎で暮らすとNHK受信料以外は不要です。でも、外で暮らす人達の官舎は有料です。しかも、古くて悲惨な状況の官舎もまだまだあります。官舎は一般企業で言えば社宅。福利厚生として社員やその家族のために安い家賃で住んでもらうものです。ここ2、3年で決められた緊急参集要員指定を受けてない隊員たちも緊急時にはすぐに基地に集まる義務を持っています。だから、基地から遠く離れて暮らすことは許されない。都心などだと基地近くの格安の住宅はそのボロボロの官舎以外にないので、泣く泣く官舎に入居します。
自衛隊の古い官舎の場合、換気扇を自腹で買わないといけません。なぜなら前の入居者がそのまま持っていってしまうからです。「現状復帰して退去」するのが制度なので、必要なくても持っていかざるをえないのです。新たな入居者は手持ちの換気扇が住宅規格に合うかどうかをチェックするところから始まります。下士官である曹士クラスは異動が少ないのですが、幹部ともなると1~2年に1回は引っ越しがあります。しかも全国津々浦々。なぜか引っ越し費用の支給は鉄道コンテナ料金換算で、引っ越し屋さんが荷物を運んでくれる(ドライバー以外に1人当たり5000円位)の費用も含まれていません。今時は、鉄道をつかったコンテナでの引っ越しなんてあまりないですよね? なので、必ず自腹での費用負担が発生することになります。全国異動の国家公務員である自衛隊の場合だと移動距離も半端じゃないのでかなりの負担が、ずっしり幹部自衛官にのしかかってきます。
官舎によって規格の違う換気扇や網戸、ガスコンロを買い直し設置するお引越しとなります。引っ越しする地方によっては、プロパンガスであったり、都市ガスであったりしますから、手持ちガスコンロが増えます。ガスストーブを使う家庭であれば、ガスストーブも2種類必要となります。給湯器がない官舎も、まだまだたくさんあるのです。
おがさわら・りえ◎国防ジャーナリスト、自衛官守る会代表。著書に『自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う』(扶桑社新書)。『月刊Hanada』『正論』『WiLL』『夕刊フジ』等にも寄稿する。雅号・静苑。@riekabot
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