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コロナ禍で病床数が足りない今、自衛隊病院の廃止・縮小は本当に必要か?

―[自衛隊の“敵”]―

第7回 医療逼迫が起きている一方で廃止縮小される自衛隊病院

入院待機ステーションで患者の方の移動準備をしている自衛隊の派遣隊員

 新型コロナの感染拡大の影響で医療逼迫のニュースが連日報じられています。東京では中等症の患者さんでも自宅待機とされており、この混乱はしばらく収まりそうにありません。ですが、病床数が足りず「救える命も救えない」と慌てふためいている一方で、国が予算削減の名目の下、自衛隊病院を廃止・縮小しようとしているのを皆さんご存知でしょうか?   病床逼迫に対応するため新たに「野戦病院」の設置も検討されているなかで、「すでに決まっていることだから」と杓子定規的な前例主義で、廃止・縮小に向け強引に突き進んでいく官僚の「思考停止」……。これが今回の自衛隊の“敵”です。 

廃止は今の安全保障環境とは違う2009年に決められた

 自衛隊病院の数は陸海空で合計15。有事の戦時治療を目的に防衛省内に設置されましたが、このほかにも、隊員の健康管理、身体的な能力の把握、CBRNEテロ対処など、自衛隊の要となる機能を有しています。病院の廃止が決められたのは、リーマンショックのあった翌年の2009年。中国の南西諸島沖への進出もまだ認識されていない頃のことです。  当時の自衛隊病院は利用率が少なく、政府から見れば無駄な施設に映ったのでしょう。ですが今は、新型コロナワクチン接種や患者搬送を行うだけでなく、一部の自衛隊病院は新型コロナ感染症の最前線の病院としてフル回転しています。  自衛隊の医療スタッフに私たち国民は救われていますが、頑張った人が報われないのが日本の政治です。ダイヤモンドプリンセス号の対応から始まり、ありとあらゆる新型コロナ対策に自衛隊の医療スタッフの力を借りたうえで、その恩を仇で返す国のやり方には憤りを感じます。
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海上自衛隊では5つの病院のうち3つが削減対象
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