「インターネット赤ちゃんポスト」を実際に利用した人たち…養子に出す側&迎える側の事情
一方、養親の側にも話を聞いてみた。都心から電車とバスを乗り継ぎ1時間ほどの郊外に住む藤本英樹さんと妻、美紗子さん(ともに仮名・46歳、42歳)は5年前に結婚、昨年7月に生後1か月の男児を養子として迎えた。
「不妊治療を何年もしたうえで養子縁組をする年齢的、金銭的余裕はなかったので、すぐに養子をもらう決断をしました」(英樹さん)
だが、そんな決断をした2人の前に思わぬ壁が立ちはだかる。
「多くの団体が養親候補者に“45歳以下”や“結婚3年以上”などの条件を設けていたんです。それで10件近くの民間団体に養親登録を断られたときには、晩婚化のこの時代になぜ……と、とてもショックでした」(美紗子さん)
厚生労働省のガイドラインでは養親の年齢を「子供が成人したときに概ね65歳以下となるような年齢が望ましい」とされている。そのため、多くの団体ではいまだに年齢制限を設けているのだ。その後、「インターネット赤ちゃんポスト」と出合った英樹さん、夫婦の情報をメールしただけですぐ養子を受け取ることができたという。
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