仕事

タイで「おっパブ」を立ち上げたバイタリティ溢れ過ぎの日本人

SNSで顔出しする理由

 夜のビジネスに従事している人はうしろめたさや家族への配慮から本名も顔も露出しないことが多い。しかし、田附氏は真逆のことをしている。自身を「世界のタズヤン」と称し1日に何度も行動を発信。ニューハーフの友人との交流、自身の夜遊びの様子をSNSに載せ、ときにはライブ配信もする。また、バンコク在住の日本人によって「この男、猥褻につき」という小説のモデルとして半生を赤裸々に連載されている。 「顔出しのアドバンテージはかなりすごいです。すべてをさらけ出しているので、隠しごとがないことが自分にとってもストレスフリーになっています。プライベートでも友人が増えましたし」

附氏はフットワークも軽く、楽しいことがあればどこにでも顔を出すので、在住日本人からも人気がある

 今では日本人の女性観光客が店にまで田附氏に会いに来るほどだそうで、タレントのようにファンがついているような状態だ。 「ネットではタニヤの情報はたくさんありますが、初めての人はやはり不安があるものです。特にひとりならなおさら入りにくい。そこで顔も名前もわかっている私がいれば安心して遊びに来られますよね。これを最初の一歩としてバンコクの夜を楽しんでもらえればとも思います」  実際、田附氏に会いに来る日本人女性も「タズヤンなら信用できそうで、会いに来てみた」という人が大半なのだという。田附氏の露出は自己顕示欲を満たすためのものではなく、安全と安心のアピールであり、「内気な人でも来られる店作り」を目指す一環でもある。  そんな田附氏に今後もタイで店の経営を続けるつもりなのか、また、バンコクでさらにビジネスチャンスを掴んでいける勝算があるのか訊いた。 「私は基本的にはビジネスマンです。タイが好きですので、ずっとタイでも仕事はしていきたい。ですが、もしなにかあれば別の国に行く選択肢も常に持っています。F1も法人化していますから労働許可証などはちゃんとあります。一方で日本にも自宅や収入源を確保しています」 <取材・文・撮影/高田胤臣(Twitter ID:@NaturalNENEAM) 取材協力/田附裕樹
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