樋口裕一氏が提言! 正しい自慢のススメ
―[男のイタい[モテ自慢]ベスト35]―
『頭がいい人、悪い人の話し方』の樋口裕一氏が提言!
正しい自慢のススメ
かくも、男のモテ自慢は嫌われる。自己アピールのつもりで揚々と語った話が、己を貶めているとなれば、もはや貝になるしかない。
が、作家の樋口裕一氏は「自慢は自己確認であり存在証明。自慢を義務にすべし」と説く。
「人はそもそも、自分が優れた人間だと思わなくては生きていけません。かつての日本は集団社会で、『誰かがどこかで見ていてくれる』という評価が期待できました。が、今は、みんな、他人のことなどに関わってなどいらない。どんなに優れていても、アピールをしなければ誰にも評価されないわけです。誰もスゴいって言ってくれないのなら、自分で言わないと。ただ、不慣れもあってか、日本人は自慢が下手。人を不快にさせる“下手な自慢”はいけませんが、“いい自慢”は推奨されるべきなんです」
樋口氏曰く、「同じくらいの実力で、相手にされない人がいれば、モテまくる人もいる。成功者とそうでない人の違いは自慢がうまいかどうかの違い」とも。では、どうしたら“いい自慢”ができるのか?
「テクニックとしては、謙虚さや笑い、嘘を交えて演出するということ。嘘も自慢と同様、忌み嫌われていますが、相手を立てるための嘘など“いい嘘”もあるんです。ただ、気をつけなくてはいけないのは、どんなにおもしろい話でも、一方的に話をされたら相手はうんざりします。自慢話は30秒以内。その間に相手の顔色を見ながら、話題に緩急をいれる。自慢話は対話の中で相手との関係性を読み取りつつするものですから」
そして、もうひとつ忘れてはいけないのは、「相手の自慢も聞いてあげること」だとか。
「自慢もひとつのコミュニケーション能力ですから。人が誰かと会って話をして、『あ~楽しかった』と思って帰路に就くとき、それは、互いに自慢し合ったときなんです。本当に自慢なんてしたくないなら話は別ですが、みんな、自慢をしたいと思っていて、それを抑圧してストレスになっている。こんな不健全なことはありません。“上手な自慢”ができるようになると、世の中、楽しくなりますよ」
★好感度を上げた[モテ自慢]
「モデルのコに迫られたんだけど、手が出せなかったんだ。勇気を出してくれたのに、失礼だったかなあ」
デザイナー(29歳)女性が、男友達から悩み事として聞いたのがこのセリフ。「本当に困り果てた様子で、もし嬉しそうに話していたら遠回しな自慢と受け取ったはず。『意外に紳士的でモテる男なのかも』と再評価した」
「オンナってイクとき、犬みたいになるよね」
通信会社勤務のOL(27歳)が合コンで採取。発言者は若き日のキング・カズ似の男性だったとか。「後になって、『あ、自慢なんだ』と思ったのですが、聞いたときは、「女の我を忘れさせるほど上手いんだ」とひたすら感心した」
「大学時代は、スゴかったんだよ。(中略)でも、今はご覧のとおりこの体型だから」
食品会社・派遣OL(33歳)の証言。「会社の先輩はよく、大学時代にモテた話をするのですが、いつもこの話で笑いを誘うので聞いていてウンザリしたことはない」とのこと。自虐オチは、典型的な自慢話のテク
【自慢話の作法】
一.自慢話は30秒以上はしないこと
二.謙虚、笑い、嘘を盛り込め
三.相手の自慢話も聞いてあげるべし
【樋口裕一氏】
’51年生まれ。作家、多摩大学経営情報学部教授。論文の通信添削塾「白藍塾」主宰。’04年、『頭がいい人、悪い人の話し方』がベストセラーに。近著に『絶望の中で自分に言い聞かせた50の言葉』『読ませるブログ』
取材・文/中尾巴 藤村はるな 港乃ヨーコ 鈴木靖子(本誌)
― 男のイタい[モテ自慢]ベスト35【6】 ―
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