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【WBC】キューバ戦は山田に始まり、山田で終わる。アメリカ行きに王手

 試合前の練習で手応えを感じたという。「本当に小さいことなんですが、身体が突っ込まないとか、バランスを大事にするとか、基本的なことを意識していた」。そのかいあってか、試合前の打撃練習は好調だった。「オランダ戦前の打撃練習がウソかと思うぐらいいい当たりが出ていた」と本人も状態が上がったことを自覚していた。  小久保監督も、オランダ戦で7番に落としたのは相手投手・バンデンハーク攻略のためだったと明かした上で「練習から良かったので1番に戻した、コーチ陣と『これは今日打つな』と話していたら本当に打ちました」と胸を張った。 「プロに入って一番学んだのは『切り替えが大事』ということ。気持ちで波があれば結果にも影響することを、3年前くらいから意識している」と語った山田。3年前と言えば彼がトリプルスリーを達成し、一気にスターダムにのしあがった時期と一致する。  冒頭の言葉は、慣れないDHでの先発など、苦しんだ末の偽りのない言葉だろうが、「今日だけでなく、明日もアメリカでも暴れられるように頑張ります」と表情を引き締める山田には迷いはなかった。目を覚ました先頭打者が侍ジャパンをアメリカへと牽引していく。 取材・文/遠藤修哉(本誌)
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