M-1王者のネタがサンドウィッチマン以後、印象に残らない問題――ユウキロック×中川家
ユウキ:あの頃はみんなテキトーやもんな。
礼ニ:松口VS小林もプロレス好きだからって、テキトーでしょ。
ユウキ:そう。せやけど、今の子は最初っから決めてくる。学校の雰囲気も全然ちゃうよ。
礼ニ:いまって吉本なんかでも「あざぁまーす!!(体育会系っぽく)」みたいな感じでしょ。
剛:そういう人間じゃないからお笑い芸人になったはずやのに……。そんな礼儀とかいらんって。
ユウキ:各事務所でも違うんだけど、いちばん礼儀正しいのは吉本かなぁ。軍隊的な(笑)。まあでも、俺らの時代って、事務所ありきの学校やった。いわば、即戦力になる人しかいらないというスタンス。いまは学校化しすぎてしまって、そうではない人たちにも何かを与えなければいけない。
礼ニ:聞いたことあるのが、親が「なんでうちの子はテレビに出ないの!」とかクレームを言ってくるみたい。
剛:えー! 辞めてしまえ、そんなヤツ(笑)。
ユウキ:俺が養成所に入って衝撃だったのが、今までは義務教育やったけど、吉本は「会社を辞めてNSCに入る」なんて言ってる人がいたら「アカンアカン、うちなんか来んでいい!」って突き放すぐらいだった。それが現在では、もしも生徒が授業に来なかったら「なんで来へんの?」ってなる。
剛:ちゃんとした学校なんや。ホワイトボードとか使って授業やってるの?
ユウキ:やってるやってる。昔のネタとかを例文にして、コレがフリでコレがボケで、とか。どの言葉に掛かっているのか考えなさい、とか。俺らのときはみんな自分で考えていたと思うけど、いまは何かを与えてやらないと。
礼ニ:俺らのときは、最初から言われなくても出来ていた人が多かったよね。
ユウキ:めっちゃとがってたやん? とにかく先輩の悪口を言ってたよね。
礼ニ:平気で「あいつには絶対に勝てる」とか(笑)。
ユウキ:それで実際にプロになってから先輩たちの凄さを知る、という。いまの子たちは、純粋に先輩に憧れている感じがする。
明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスとして様々な雑誌や書籍・ムック・Webメディアで経験を積み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi
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