更新日:2022年08月28日 09:31
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怪魚・アリゲーターガーは「釣り人が釣ってみたい人気の魚」 各地で目撃が相次ぐその正体とは?

観賞魚として輸入された外来魚

 じつは近年、観賞魚としても人気があるらしい。熱帯魚の卸業者・クイーン商会にアリゲーターガーについて聞いてみた。 「北米原産の淡水魚。高い品種のプラチナアリゲーターガーだと100万円以上しますが、いま各地の川などに出没しているものは通常のアリゲーターガーですね。熱帯魚店では10センチくらいの幼魚が2000円~3000円程度で買えます」
養殖場

インドネシアのプラチナアリゲーターガーの養殖場

 通常のアリゲーターガーであれば、意外なほど低価格で購入することができるのだという。
幼魚

低価格で売られている幼魚

 とはいえ、人気の理由はなぜなのか。 「熱帯魚などを飼う人の心理として、エサを食べているところを見るのが好きなんです。アリゲーターガーはバクバクとなんでも食べるから楽しい。エサをよく食べるので、その分どんどん大きくなります。2メートル近くまで成長しますよ」  一方で、あまりに巨大に成長することから家の水槽では持て余してしまった人が川に放流してしまうケースが増えているのだとか。いま各地で目撃されているのは、そういった無責任な飼い主によるもの。アリゲーターガーは外来肉食魚であり、本来の生態系が乱れてしまうことも懸念されている。 「アリゲーターガーは、食欲旺盛で雑食。小さな魚からコイ、ザリガニ、なかにはネズミまで食べるやつもいるぐらいです。繁殖力はそこまでありませんが、寿命は長い。下水の温かさで冬を越し、さらに大きくなっている」
プラチナアリゲーターガー

100万円以上の値が付くプラチナアリゲーターガー

 環境省『日本の外来種対策』によると、アリゲーターガーを含むガー科の魚は、平成30年(2018年)2月に“特定外来生物”に指定される予定。4月から飼養・運搬、譲渡、輸入などの規制が開始。すでに飼養などをしているものについても申請が必要となるそうだ。 「安くてカワイイからといって気軽に購入してしまう人もいるのでしょう。アリゲーターガーに限らず、生き物を飼うならば責任をもって最後まで育てる覚悟が必要ですね」 <取材・文/藤井敦年>
明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスとして様々な雑誌や書籍・ムック・Webメディアで経験を積み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi
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