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エアレース“サムライ”室屋が連覇達成! ファンも選手もメディアも超ゴキゲン

撮影/Balazs Gardi ©Red Bull Content Pool

 レース前、「ファンの応援が後押ししてくれる」と何度も語っていた室屋は、予選でもファンが振る応援の旗が見えて「力になった」と明かした。1000分の7秒差で敗れたコプシュタイン(結果2位)によると、その差は距離にして約70cm。室屋は、「ファンの皆さんの応援で70センチ、(機体が)出てくれたのかな」と恐縮そうに笑顔をこぼした。  会見で、室屋はジョーク交じりにメディアを何度も沸かせた。いつものように流暢な英語でしっかりと質問に答えていたが、室屋だけは続けて日本語でも応えるという、通訳兼務だ。  欧米圏で主に開催され、世界中で人気を誇るエアレースは、千葉大会でも会見は基本すべて英語で行われる。殺到した日本のメディアのため、逐次通訳がなされているが、進行役のベテランMCが、予選後の記者会見でまさかのムチャ振りをする一幕があった。 「ヨシは通訳してもらわなくていいから、自分で語ろうか」  英語でしっかり応えた直後だった。当然、通訳されるものと思っていた室屋は最初、「ええと……オレ何言ったっけ……」と場内の爆笑をさらったが、しっかりと思いだし、自分の言葉で語りなおしている。  そのため、決勝後の会見でも室屋が英語で応えた後に、通訳は黙ったまま。しばらくの沈黙が流れた。だが、すぐに察した室屋は、「ええと、自分で訳します」と再び爆笑をさらい、再び通訳を兼務したのだった。

撮影/Balazs Gardi ©Red Bull Content Pool

 ここでは「室屋」としているが、ファンもメディアも誰もが「室屋さん」と慕ってやまない超人パイロットだ。44歳の“サムライ”は、これで年間総合順位がトップに浮上。ここからは、欧米勢が地の利を得る、欧米圏での試合が続くが、「チーム室屋」の準備は整っている。室屋さんの前人未踏の快進撃を引き続き見守りたい。
©Red Bull Media House 取材・文/松山ようこ
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