日本人は胃がん発症率が高く、認知症にはなりにくい体質!?
まるで長所がなさそうに見える日本人の体質だが、利点もあるという。
それは、意外にも「認知症になりにくい点」。これだけ社会問題になっているのにどういうことか?
「認知症には血管性のものとアルツハイマー型のものがありますが、後者も動脈硬化が関係することがわかってきています。東アジアは生活習慣も関係して、動脈硬化が進みにくい。地域別に比較すると、65歳以上の発症率は西欧が東アジアの3倍、オーストラリアが4倍です。日本で多いように見えるのは、長寿だからです」(奥田氏)
せっかくの長所をまったく生かしきれていないようだ。健康寿命さえ延ばせば、文句は言わせないのだが……。
【奥田昌子氏】
内科医、健診医、産業医、医学博士。『欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」』(講談社ブルーバックス)がヒット中
【寺尾啓二氏】
化学者。シクロデキストリンを用いた機能性食品開発などを行うシクロケム代表取締役社長、神戸大学医学部客員教授。新著に『本当は健康寿命が短い日本人の体質』(宝島社)
(※)日本人とは?
「日本の国土で遺伝子を受け継ぎ、共通の生活習慣を持つ人々」(奥田氏)、「大陸との混血なく島国の中で代々生きてきた、ネイティブ」(寺尾氏)。本特集では両氏の見解を折衷し「日本に生まれ育ち、現在も在住している人」と定義する
― 欧米の健康法は日本人に効かなかった ―
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