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「和食中心の日本人」には欧米のダイエット法は不要

日本人に効かない薬がある!?

 日本人は薬が効きすぎることがあるのたが、逆に効果が出にくい薬も存在する。  薬剤師の田中涼子氏(仮名)は言う。 「人間の体には、CYP(シップ)という薬物を代謝するための酵素があり、この酵素の働きは人種によって異なります。欧米でつくられた薬は、欧米人のCYPの活性率に基づいて開発されているため、日本人には効きにくいんです」  単に成分が強いだけでなく、酵素量も合わないのである。逆もまたしかり。例えばバファリンは、日本人用に開発された薬であるため日本人のCYPに則った用法用量になっている。 「ただし、CYPには個人差もあるので、日本人用につくられた薬であっても全員に効くわけではありません。“自分に合う薬”という目線を持つことが大事です」 【林博之氏】 渋谷DSクリニック院長。医学的根拠に基づくダイエットの啓蒙に努める。著書に『ダイエットの真髄~医師が教えるリバウンド知らずのダイエット術~』(産経新聞出版) 【奥田昌子氏】 内科医、健診医、産業医、医学博士。『欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」』(講談社ブルーバックス)がヒット中 【寺尾啓二氏】 化学者。シクロデキストリンを用いた機能性食品開発などを行うシクロケム代表取締役社長、神戸大学医学部客員教授。新著に『本当は健康寿命が短い日本人の体質』(宝島社) (※)日本人とは? 「日本の国土で遺伝子を受け継ぎ、共通の生活習慣を持つ人々」(奥田氏)、「大陸との混血なく島国の中で代々生きてきた、ネイティブ」(寺尾氏)。本特集では両氏の見解を折衷し「日本に生まれ育ち、現在も在住している人」と定義する ― 欧米の健康法は日本人に効かなかった ―
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