約10年のルームシェアを解消する引き金とは!?

私たちはこれがきっかけで[ルームシェア]を解消しました! これまで、数多くの30代でルームシェアをしている人たちを紹介してきたが、どの人たちもおおむねシェア生活に満足しているようだった。しかしルームシェアは恋人との同棲と違って、生活を始めるときから解消するときが確実に来ることがわかっている共同生活だ。特に本特集のように30代の人の場合なら、近い将来に起こりうることかもしれない。そこで、ここでは30歳になってルームシェアを解消したケースを紹介する。その激しい葛藤の足跡を見てほしい。 「学生時代の延長からの脱却で解消!」のケース みんな、30歳になって学生気分が完全に抜けたのが理由だった!  広瀬啓太さん(仮名・31歳)が約10年に渡ったルームシェア生活を解消して、一人暮らしに戻ったのは去年のことだという。  10年も続いたなんて、よっぽど気の合う相手同士だったのかと思いきや、実際は微妙な事情もあったようだ。 「もともと自分が一人暮らしをしようとしたときに、物置代わりにしている家を親戚が持っていることを知って、頼んで住まわせてもらった一軒家だったんです。家賃も一軒家にしては格安だったので、飛びついたんですが、さすがに一人では広すぎて……」  そこで当時まだ大学生だった広瀬さんは、同じ体育会の友人にルームシェアをしないかと持ちかけ、共同生活を始めた。2人の楽しそうな生活はすぐに大学のコミュニティ内で話題になり、余っていた2つの部屋にも住人が同居することになったという。 「彼らが出て行ってしまっても、体育会のムダに強固なつながりで、後輩や友人が入ってきたり(笑)……結局入れ替わり立ち替わり、誰かしらいるという生活が10年続いたんです」  まさに学生生活の延長のような楽しそうな生活。実際、彼らは自分たちの家のことを「男大学」と呼んでいたそうだ。なぜそんな男大学はなぜ閉鎖されたのか? 「結婚、一人暮らしに踏み切れそうな貯金が溜まった、転職、転勤、気持ちの変化など、理由はさまざまですが、結局みんな学生生活の延長から抜け出して大人になったということだと思います。実際、僕もずっと誰かがそばにいる生活を繰り返してきて、そろそろ一人になりたいと思っていましたし」  最後の住人と住んでいた期間は約2年半。彼とは、仕事や私生活において、もはや同居するレベルではないと話し合って”発展的解消”をしたという。  「振り返ってみれば、めちゃくちゃ楽しい時間でしたね。第二の青春というか。でも、青春時代には必ず終わりが来るものですから」  そう語る広瀬さんの表情が少し寂しそうなのが印象的だった。 ― 30代で[ルームシェア]の住み心地【9】 ―
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