果たして入れ墨は「医業」か? 判決に各方面から異論が噴出
入れ墨を彫るのは医療行為だとして、医師法違反で彫り師が逮捕され、有罪判決を受けた。これを受けて当事者はもちろん、医療関係者からも、判決には妥当性がないのではと異口同音に声が上がっている。
今年の9月27日、大阪地裁は、医師免許を持たずに客にタトゥーを施したとして、医師法違反(無資格医業)の罪で彫り師の増田太輝氏に罰金15万円(求刑罰金30万円)を言い渡した。「彫り師には医師免許が必要」とする結論は、各方面に波紋を呼んでいる。
今回の裁判の争点の一つが、医師法第17条で定められている〈医師でなければ、医業をなしてはならない〉の「医業」という言葉をどう解釈するかだ。つまり、針を皮膚に刺して色素を沈着させるという行為が医療行為にあたるのかという問題である。
大阪地裁の判決文を見ると、「(タトゥーは)保健衛生上の危害が出る恐れがあり、医療行為に当たる」とあるが、渦中の彫り師の主任弁護人を務める亀石倫子弁護士は、この判決に異議を唱える。
「これまでの最高裁の判例では、『医療行為とは何か』について、病気の治療や予防という目的を外して定義しているわけではなく、『タトゥーを彫るのは医療行為』との指摘は当たりません」
また、裁判の刑事被告人・増田太輝氏は有罪判決を受けてこう語る。
「主張が受け入れられず、率直に悔しい。衛生面に気を使うのは当然のことで、針の使い回しなんてありえない。タトゥーは日本の伝統的な文化であり、人の肌をキャンバスにしてでしかできない芸術作品を描いているのであって、医療行為をしているつもりなんて毛頭ない。この仕事は生きがいだし人生そのもので、これをある日から、医師免許を取ってからやれと奪われるのは納得できません」
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