若者がイラつく謎の“おっさんルール”――仕事は見て覚えろ、重要な要件はメールより電話…本当に正しいの?
体育会系至上主義も、若者には奇異に映る。
「聞いてもないのに『俺は体育会系だから』と言う。つまり『今後、仕事を雑に振っても不思議に思うな』という暗黙の圧力ですよね」(♂・33歳・人材派遣)
一番アウトなのは、ここ最近とみに厳しくなったセクハラ的な考え方だ。
「権力者と近しい女性は高確率で愛人だ」というセクハラ的思い込みは、もっとも「なし」とされる。
「知り合いの著名人が主催する国際イベントのお手伝いをしたのですが、客のおっさんが『君は一体何なの?』て。『スタッフです』というと、軽蔑のこもった目で『そんなことしてお金もらってんの?』と。つまり、お前は主催者の愛人だろうと。そんなおっさんは日本人だけでしたよ」(♀・34歳・自営業)
国の労働環境を左右するだけに、おっさん的ビジネスルールの是正は割と重要事項かもしれない。
<ナシな謎ルール>
・一つの職場に3年いないとモノにならない
⇒おっさんの言い分:「一通りのことを覚えるのが大体3年だから」
・重要な用件はメールより電話
⇒おっさんの言い分:「重要なことは肉声で伝えないと信頼が築けない」
・仕事は体育会系でなければならない
⇒おっさんの言い分:「仕事は元気よくハキハキとこなすもんだ」
・長時間働くほど業績が高まる
⇒おっさんの言い分:「費やした時間と努力は無駄にならない気がするから」
・長時間労働の後に飲みに誘うことはチームワークを高める
⇒おっさんの言い分:「飲んで本音で話し合うことで団結力が養われるんだよ」
・仕事は見て覚えるものだ
⇒おっさんの言い分:「仕事は失敗と試行錯誤の末に身につくものでしょ?」
・下積みは長ければ長いほどいい
⇒おっさんの言い分:「基礎を知らないヤツがデカい仕事なんてできないよ」
・最新のものを使用して効率的に仕事をするのは、手抜きと同じである
⇒おっさんの言い分:「なんでもかんでも効率化してたら真心が込もらなくなる」
・経費はどこからか出てなんとかなる
⇒おっさんの言い分:「俺たちはただ結果を出すために集中していればいい」
・権力者に仕えている女性は高確率で愛人である
⇒おっさんの言い分:「愛人の一人くらい囲えないと出世できないよね~」
★社会学者・田中俊之氏評
「今の40代以上の男性は、全体主義的文化で育った。『我が町』、『我が高校』など基本的な行動単位が『我々』であり、さらに付け加えるとPC世代なので、ケータイ文化により、行動様式が個人単位となった今の若者には、抵抗があるでしょう」
【田中俊之氏】
社会学者。大正大学心理社会学部准教授。男が男であるがゆえの悩みについて研究する男性学の第一人者。著書に『男が働かない、いいじゃないか!』(講談社+α新書)
― [おっさんの謎ルール]アリかナシか? ―
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