独身で無趣味、孤独な60代は定年後にどう生きればいいのか?
【佐藤優のインテリジェンス人生相談】
“外務省のラスプーチン”と呼ばれた諜報のプロが、その経験をもとに、読者の悩みに答える!
◆無趣味な独身男は定年後にどう生きればいいのか?
凡庸(ペンネーム) 嘱託社員 男性 62歳
私には趣味がありません。本も読みませんし、映画も見ません。スポーツ観戦にも興味がありません。あまりにもつまらない人間です。人と話していても、そう思われているのをひしひし感じます。なにか趣味と呼べるものがほしいです。熱中できるものがほしいです。
昔、加賀まりこに熱中したことがあったので、もはやアイドルのファンになってみようかとも考えています。私には嫁も子供もいません。友達も会社の同僚ぐらいのものです。仕事も定年を迎えた後、嘱託契約になったので、あまりやりがいがありません。仕事ばかりしていた私は何を趣味に生きていけばいいでしょうか?
◆佐藤優の回答
私は’60年1月生まれで現在57歳なので、あなたとほぼ同世代に属します。仕事だけしてきた人が定年後もしくは早期退職後、生きがいを感じることができなくなる問題は、私の周囲でも深刻になっています。あなたの場合はシングルで家族とのコミュニケーションの場もありません。それと同じような状況に置かれる男性は今後増えてくると社会学者の山田昌弘氏は述べています。
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2015年の61~70歳の未婚率は男性10%、女性5%程度でした。ただし、この世代=現在の高齢者はきょうだいが3~4人いるというのが標準です。そのおかげで、本人に配偶者や子どもはいなくても、きょうだいがまだ元気だったり、おい・めいと親しい仲にあったりという割合が相当高いのです。つまり、親戚という枠組みでいえば、家族的に「孤立」する割合はまだ少ないわけです。
一方、2040年の61~70歳の未婚率は先に述べたように、男性で2015年の3倍、女性で4倍になります。さらに、この世代=いまのアラフォーのきょうだいは2人が標準です。つまり、きょうだいがいなかったり、きょうだいやおい・めいと疎遠になっていたりという割合が低くないわけです。
要するに、いまのアラフォーが高齢者になる2040年には、だれも頼れる家族のいない高齢者が大幅に増えてくるのです。
(『底辺への競争――格差放置社会ニッポンの末路』160頁)
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’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数
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