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「ギャンブルがやめられず借金700万円」自分の弱さに絶望する41歳公務員の悩み

“外務省のラスプーチン”と呼ばれた諜報のプロ・佐藤優が、その経験をもとに、読者の悩みに答える!
借金

※写真はイメージ

ギャンブルがやめられず700万円の借金があります

★相談者★ リビングデッド(ペンネーム) 公務員 男性 41歳  賭け事とは無縁の人生を歩んできた私ですが、数年前、ふとしたきっかけでギャンブルにハマってしまい、数百万あった貯金を失い、現在は両親に350万、ろうきんに180万、サラ金に170万もの借金ができてしまいました。  このような状況になっても、堅い仕事についていて安定した収入があるため、ボーナスを返済に回せば完済のメドはあるのですが、医師にかかっているにもかかわらず、何度も「スリップ」を繰り返し、全然額が減りません。自分の弱さに絶望しています。私は回復できるのでしょうか。人に迷惑しかかけていない私に、存在価値はあるのでしょうか。 ◆佐藤優の回答  こういうときはキリスト教の人間観が参考になります。 =====  ルターによれば、人間があらゆる努力によって神に認められる働きをしようとしても、それはすべて罪に行き着くといいます。ルターは、パウロの教えにかなり狭い意味で依拠しています。パウロは確かに、人間がベストを尽くして神に近づこうとしても、悪を行うことになると言っています。パウロによれば、旧約聖書に書かれた律法は、悪の行為とは何であるかを示しているにすぎません。  人間は、自助努力によっては神の前で決して義と認められることはなく、ただ神だけが人間を義と認めることができるのです。罪ある人を義と認めることだけが神による義認ならば、人間は神の救いの力に希望を見出すしかありません。(『神がいるなら、なぜ悪があるのか 現代の神義論』126~127頁) =====
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すべての人には罪が内在しています
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